バタン!――と扉が開く。
「きゃ…っ」突然の来訪に身体を隠す半裸の女性達。
「お姉ちゃん!あー、また真っ昼間から夜伽衆をはべらせてー」
彼女はファス。サーラの妹である。半年ほど前にサーラの元にやってきた。
「王国の騎士団がまた攻めてきたって。 どーするのどーするのっ」
勢い良くまくし立てる。
「あ、あー、そう。 適当にやっつけちゃってー」
少しめんどくさそうに答えるサーラ。
「適当って……また。 そもそも補給や兵站考えなしにお姉ちゃんが好きなトコ攻めてっちゃったから、こんなことになっちゃってるんじゃない。 お姉ちゃんのそういう勢い任せなところ、嫌いじゃないけど。 もうちょっと考えて……」
くどくど説教を始めるファス。
「むー……」やれやれといった感じで立ち上がるサーラ。
「……そんなだから、悪魔とも契約なんかしちゃううんだよ? 私お姉ちゃんのこと心配して……」
ぎゅ……っ、くどくどと続くセリフを遮ってファスを抱きしめるサーラ。
「わ、お姉ちゃん?!」
そして耳元でボソボソささやく。
「ファスがしょっちゅう小言を言いに来るのって、あたしにかまって欲しいからなんでしょう?」
「え、お、お姉ちゃん……何を……」ファスの背中から汗が滴る。
「いいわ。今夜一緒にお風呂入ろっか。姉妹水入らずで、ね?」
「え、そ、そんなつもりじゃなかったけど……べ、別にいいよ……ごにょごにょ」
だんだん声が小さくなるファス。
「あー、そうだファス。 恒例の火魔女祭、やっぱり今年も開催することにする!」
「えっ、話し聞いてた? 今はそんなことしてる余裕ないよっ。 今後の対策しっかり練らないと」
「あたしは今日この時が楽しければいいの。 それより敗戦続きだから、みんなの元気をまずは取り戻さなきゃ。
……あ、そうだわ。 この際、邪魔になりそうな面倒くさい連中、まとめてゲストとして呼び出して片っ端から片付けちゃお」
「えっ……何を言っているの、考えなおして!お姉ちゃぁん!!」
「そうと決まったら、さっそく紹介状書いてくるわ」
張り切って部屋を立ち去るサーラ。
そして――残された夜伽集とファス。
ファスが夜伽集を睨みつけて、
「まだいたの? お姉ちゃんの部屋掃除するから出て行って」
しっしと、お払おうとする。
「妹さま、掃除くらい私めにお任せください」
「お姉ちゃんの夜のおもちゃのくせに! 生意気言わないで! お姉ちゃんの部屋はわたしが掃除するのっ」
がーと怒って夜伽集を追い払う。
ひとり残った部屋で――
「あれ……なにか忘れているような……ま。いっか。 とりあえずお姉ちゃんの部屋の綺麗にしよ♪」
――こうして、今まで以上に盛大に火魔女祭が開催されることとなった。
参加をするのは、サーラのハーレムである夜伽衆、
サーラの身を守る親衛隊、サーラの支配地域である街や村からの陳情民、
最後に、サーラが敵視している人物たちに参加要請の手紙が送られた。
この一文が添えられて。
――そうそう、サーラの頼みを断る人がいるとは思わないけど。 拒否なんかしたら、この手紙は爆発するからね♪
「……この人は世の中にほおって置くわけには行きません」
手紙を受け取った人のうちのひとり、ルルは参加の返事を送った。
火魔女祭とは――
魔女の日の記念に行われる火魔女サーラ主催のステージイベントです。
数々の羞恥な種目が行われ、見事優勝を果たすと望みが叶えられます。
なお、この催しは火魔女放送により水晶球や魔法鏡にて全世界で視聴可能となっています。
エキストラ募集♪――…
東の魔女編に登場するエキストラキャラクターを募集します。
このシリーズに作中にあなたのキャラクターを参加させてみませんか?
登場キャラクターは火魔女祭に参加するキャラクターとして登場します。
あくまで脇役となりますので30秒で思いついたキャラでOKです!
ミリア戦記に参加してみたいと思っていただけたら、お気軽にキャラクターを投入してみてください。