一回の表。
大陸北部の都市スリザウェルクに新設された5000人収容の野球場。
この日、初めての野球DE野球拳の試合が行われる記念すべき戦いは
女神皇女イナルミ率いるブレイブファイターズ

悪魔女王イディラ率いるエレメントウィッチーズ
の試合カードだ。
尚、審判は公正を期すべく地元の女子野球チームのメンバーによって行われる。
高倍率の抽選でチケットを手にした5000人もの球場の観客と、生中継で三百万人の視聴者に向けて配信されることが決まった。

▽clickで打順▽

[1回表]

ブレイブファイターズ(以下BF)の攻撃から始まる。
打順は1番キサナ。
ピッチャーはエレメントウィッチーズ(以下EW)先発の
コルエット。
BFは白色を基調にしたデザインのユニフォーム、そして
EWは黒色を基調にしたデザインのユニフォームを身にまとう。
審判が試合開始のコール宣言し、いよいよ試合が始まった。

〇一番バッター キサナ

コルエット「お手柔らかにお願いします」
キサナ「え、勝負事なんだから、本気。一切手は抜かないから」

ボールを投げるときは野球拳のテーマが流れて、観客が歌う。
『よよいのよい!』のタイミングでボールを投げるのが決まりだ。
第一球、コルエットは両手を振りかぶって脚を上げ、ボールを投げた。
「(球も早くないし、コースも甘い、これはもらった!)」
キサナはバッドを素早く振った。
<がきっ……んっ!>
『ファウル!』審判のコールが入る。
「おっもーい……っ!手がしびれたぁー」
野球DE野球拳ルールでは、基本的に魔力の使用は禁止されているが
唯一、ボールやグローブ、バットにだけは好きなだけ魔力を込めることができる。
「少し魔力を込めすぎたでしょうか……お怪我はありませんか?」
コルエットが心配そうにキサナに声をかけた。
「やるじゃない。次は、うちもめいっぱいバッドに魔力を込めるよ」
キサナがバッドを構え、コルエットの第二球……
「(……お、遅い〜っ。身体が流れる……っ)」
<ぶんっ>
『ストライク!』
「ぷぷ、キサナちゃん顔に出やすいから」
キャッチャーのミラーシュがキサナに声をかけた。
「く……このぉ……」
「ほーら、ボタン、外して?」
にまにました表情を浮かべるミラーシュ。
「……はいはいっ」
ストライクが入ると脱衣ルールで1つシャツのボタンを外さなければならない。
バッドを地面に立てて自分の身体に立てかける。
キサナはユニフォームで四つあるボタンうちの一番上を両手で外した。
首元がぱっくり開くが、まだ普通に道を歩けるレベルだ。
「次は、こうはいかない」
キサナは殺気だった表情でめらめらと闘志を燃やす。
「では、いきます……」
ピッチャーが投球態勢に入ると野球拳のテーマが流れる。
やや高めの玉。
『ボール!』
ストライクゾーンを外れた。
次の玉は低め。キサナのバットからは遠いサイド。
「(……入る?ぎりぎり?)」
キサナは躊躇してしまった。
『ストラーイク!バッターアウト!』
キサナは、審判の顔をうかがうが、当然コールは変わらず。
「入ってたよん」
ミラーシュがおどけて見せる。
「むっ」
キサナは無言で第二ボタンを外した。
ユニフォームと同じく支給された白いブラがちらりと姿を現す。
「あっ、これ、しゃがんでるキャッチャーからは見えないじゃんっ」

不満げに覗き込もうとするミラーシュに、
「立たなくていいから」と制すキサナ。
[1アウト]

〇2番バッターはシロナ。

シロナ「うぅん、重いボールをどう料理しましょうか」
コルエット「お料理されちゃうのですか……?(ドキドキ)」

第一球、コルエットは振りかぶって…投げた。
真ん中やや低め。
「(まずは見……)」
シロナはボールを見ることだけに集中する。
<びしょ…ん!>
『ストラーイク』
「ボールが……水の魔力でびしょびしょですね。これは重たいわけです」
ボールから跳んできた水しぶきが顔にかかり手で拭うシロナ。
「シロナちゃん、まずひとつー♪」
ミラーシュに促され一つボタンを外すシロナ。
第二球、投げた。
「(……ど真ん中?)」
<びしょ……ん!>
『ストライク・ツー』
「シロナちゃんバットを振らないと当たらないよ」
「……ごもっともです(でも、これだけ重いとどれだけと飛ばせるか)」
ミラーシュの指摘に口先では素直に認めるシロナ。
第2ボタンを外す。
第三球、投げた。
インコースの勝負球、コルエットこの日最速のストレート。
「……(ここっ!)」
シロナがバッドに込めた風の魔力でスイングの速度が強化された。
<がきんっ……!!>
ボールをとらえたバッドが鈍い音を立てて割れた。
それでもボールはピッチャーコルエットの頭を越えた。
シロナは自慢の快足を活かし1塁へと走る。
ショートのミミルがワンバンドしたボールを掴み、一塁へと送球する。
ファーストのクイは”めいっぱい”腕を伸ばしボールを受けた。
<ばしゅ>
一瞬間を置き、一塁側審判が判定を下す。
『セーフ!』
<「おおおお!」>観客が沸いた。
打たれたコルエットは最初のボタンを外した。
「このまま脱がされちゃったらどうしましょう……(ドキドキ)」
[1アウト1塁]

〇3番バッター フロンリーフ。

フロンリーフ「わたくしもシロナに続きます!」
コルエット「このまま連打されたら、どんどん脱がされてしまいます…(ドキドキ)」

<(姫さまー!!)>
<(がんばれー!!)>
<(打ってー!!)>
<(ぬげー!!)>
<(ぬげー!!)>
観客からは、応援とともに、脱いでほしいという欲求の声も飛んでくる。
「フロンリーフちゃん、大人気だね」
「これでも、王族ですからね。”ちゃん付け”で呼ぶのはあなたくらいです」
軽く会話を交わすミラーシュとフロンリーフ。
第一球、投げた。
「(ん……これが水分で重たくなったボールですね)」
<びしょ…ん!>
『ボール!』
ストライクゾーンからやや下に外れた。
第二球、投げた。
今度はゆっくりとしたボール。
「(……これ打っても飛ばないんでしょうね……ならば)」
姫はとっさにバントを横に構え、バントを狙う。
<ずゅんっ!>
ボールはバットに当たりころころと地面に転がる。
ミラーシュがボールを拾い、一塁へ送球。
『アウト!』
その間にシロナは1塁から2塁へ進塁。
フロンリーフはシャツの最初のボタンを外し、次に控えるバッターに声をかけた。
「得点圏にランナーを進めておきましたよ。ミリアさん」
[2アウト 2塁]

〇4番バッター ミリア。

ミリア「その、もし打っちゃったらごめんなさい」
コルエット「謝らなくてもかまいませんよ?むしろ……(ごにょごにょ」

「ミリアちゃん、バットの持ち方間違ってるよん?」
「えっ……えっ……」
「こう持って…うん、そう…そう……上手ね」
ここぞとばかりにミリアに密着して、セクハラに勤しむミラーシュ様。
審判に怒られる。
第一球、投げた。
「(よ、よーし、みんなのためにも打たないと……)えーい!」
アウトコースの球に食らいついた。
<ごずゅん!>
鈍い音がしてボールが高く上がった。
「あたった!」
自分で驚いて一瞬硬直するが、チームメイトに大声で促されて
慌てて一塁へと向かう。
一塁に出てきていたチームメイトに腕をまわされて
二塁へと進む。そして二塁から三塁へ。
ここでストップがかかったので立ち止まった。
ボールはライトのフィフィがようやくボールに追いついて
セカンドへと送球されたばかりであった。
この間にシロナが本塁へ帰り1得点。
ミリア、長打の三塁打。
「ああ、3つも外さなくちゃいけないのですね……」
コルエットはマウンドの上で羞恥をかみしめながら、第二ボタンから順にボタンを外していく
露わになっていくコルエットの白肌と、チームカラーの黒いブラジャー。
4つ目のボタンを外したところでシャツを脱ぎマウントの脇に畳んで置く。
<(おおおお!)>
<(ぬいだあ!!)>
<(黒だああ!!!)>
ミリアが打ってから熱気立ち盛り上がりっぱなしの観客。
「ああ、ああああ、あああ……大勢に見られてしまってます」
マウントの上でもひとり興奮を抑えられないコルエット。
[2アウト 3塁]

〇5番バッター リーン。

リーン「打って姫に恩返しをします」
コルエット「可愛くてけなげな子ですね……」

第一球、投げた。
「(……うちごろ!)」
リーンは着たボールを素直に打ち返す。
<ずちゅ!>
水気を帯びた音を立てたボールはコルエットの方へと転がって……
一塁でアウトになった。
「くっ……失敗」
リーンは悔しそうにボタンを一つ外した。

[チェンジ]

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