土の塔-4階-。

4階
 
狭い通路が延々と続く。
「こういう通路は罠が仕掛けられやすいから注意するように」
そう言ったキサナもどこか注意が散漫してきている。
いくら歩いても同じ風景。
ふと。
ヒュン、ヒュンッ。
壁の横から多数の槍が飛び出してきた。
慌ててかがむキサナ。
次に真下からシュンッと槍が飛び出る。
身体をひねり紙一重で避ける。
ビリッ……
正確には避けられておらずシャツが胸元で裂ける。
黒いブラに覆われた小ぶりの胸がふるんと揺れる。
「あ、危なかった」
冷や汗をかきながら槍から抜け出る。
「みんな無事?」
後を確認する。
「なんとかっっ、でも、できるだけこっちをみないで……っ」
ライラは穴の開いた服をさらにずたぼろにしていた。
ほとんど半裸状態であるが、かろうじて残っている布をかき集め
少しでも肌を隠そうとしている。
「こっちはなんとかです……」
下半身はぱんつ一枚のままであるが、他は目立ったダメージは受けてない。
「ひゅー、さすが盗賊……、してミリアは……なにしてるん?」
ミリアは斜め後ろの地面から伸びる槍と
斜め前方からの地面から伸びる槍の2本がクロスして、
股下のスカートをズバリと串刺しにされてる。
「えっと……横から来たのは避けられたんだけど、下から来たのにやられちゃって……」
申し訳なさそうに現状を報告するミリア。
「どんどん昔のミリアに戻っている気がする」
キサナはそう笑いながらもミリアを引っ張ってあげる。
「ふはんっ……ま、まってキサナちゃん」
ミリアは慌ててキサナの動きを制する。
「なに?」キサナがいぶかしげな顔をし、また手を引く。
「ふっ……まって食い込んじゃう……ぁ」
ミリアは恥ずかしいことを言ってしまったことに気がついて、
きょとんとした表情のキサナから顔を背ける。
ミリアのスカートの中では、槍の上に彼女の股間が乗っている状態であった。
「ちょ、馬鹿じゃないの。ちょっとは我慢しなさい!」
キサナも顔を真っ赤にして、ぐいぐいとミリアの腕を引っ張る。
「キ、キサナちゃん。んはぁ、こすれちゃうよぉ……」
「やぁだぁ……くすくすくす」と控えめに笑うライラと
「あははは」とおなかを抱えて笑い出すアイシャ。
キサナは恥ずかしく思い、
「何、この状況?!ミリアの馬鹿ーー!」
ぽかんとミリアの頭を叩く。
「ひーん……キサナちゃんが叩くぅ……」
二人の、幼少期さながらの様相。
「どうしようもない。ミリア、スカート切るよ」
キサナは手袋をナイフに変化させる。
ミリアの了承を得てから、ミリアのスカートに刃を入れる。
ミリアの肌に傷をつけないよう身長にことを進める。
ビリィ……
ミリアの白く柔らかそうな太ももを目の当たりにし、
また、スカートを切るという変態的な行為。
チラチラと見えてしまうミリアの薄い桃色のショーツ。
キサナは眩暈を感じずには得られない。
ビリビリィィ……
また、なぜかキサナの肩に乗せるミリアの温かい手や
静寂の中聞こえるミリアの少し荒い吐息。
ライラやアイシャがいなければ押し倒してしまうのではないかと
変に意識してしまう。
「あ、ありがとう。キサナちゃん」
無事槍トラップから抜け出したミリアの姿、
ビリビリと切られ、その下にはショーツがチラチラと見えてしまっている。
キサナはこれ以上目視していられず、
「もう迷惑をかけないでよね」
と、わざと冷たく言い放つ。
心の中では、鼻血が出ないことを祈りながら、先へ進む。
 
キサナ :■■■■□□□□
ライラ :■■□□□□□□□
アイシャ:■■■□□□
ミリア :■■■□□□□
 
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