中に入ると、ファンシーな衣類の山。ここは衣服の部屋のようだ。
「ここでもまた妖精さん隠れんぼかな」
ミリアの問に
「そうだョ」「そうだゾ」「そうだヮ」
――とワイワイ。妖精が3匹も集まると騒がしい。
「どこにいるのかなぁ……」
ミリアは妖精を探す。探す。探す。
「あ」
「あ」
目と目が合うミリアと妖精。
「パジャマの中にいました―」
「見つかっちゃったネ」
もぞもぞと這い出るこの部屋の妖精。
「ワタシはワンポイントと言うネ。よろしくネ」
ちょっとなまった言葉遣いで挨拶するワンポイント。
頭にイチゴ柄が入ったパンツをかぶっている。
「今回はなかなか時間かかったョ」
「新記録だゾ」「ワンポイントは真面目だヮー」
4匹の妖精が集まった。
「……そうそう忘れちゃいけないネ。ミリア、指令を言い渡しますネ」
「あ、は、はい……(変なのじゃないといいな)」
神に祈る気持ちのミリア。
「ここは服の部屋なのであちらの更衣室で全裸になってもらいますネ」
「え……は、はい……」
指し示された場所には更衣室があった。
ミリアは案内されるがままの更衣室に入る。
「カーテンを閉めますネ」
密室の空間になる。2メートル全面には鏡、左右は壁。前方はカーテン。
「普通の更衣室だよね……カーテンの生地が少し薄いような気はするけど……」
ミリアは少し警戒しながらも、鎧を外し、服を脱いでいく。
するする……ぱさ。
「あの、妖精さん。服を脱ぎました……」
ミリアがそう言うと、ミリアの後方の鏡から、強い光が発せられた。
「きゃ?!」
ピカリと照らされると、ミリアの影が白いカーテンに浮かび上がる。
「ミリアの姿が浮かび上がったョ」
「そうですネ。ここからミリアには、私の指示通りの動きをしてもらいますネ」
「う、うぅ……薄々感じていましたけど、脱いで終わりじゃないんですね」
「ミリア頑張るんだョ」「いいゾ~」
ストライプを始め妖精たちがその様子を鑑賞してる。
「はじめに手を上にあげて、頭の後ろで組んでくださいネ」
「は、はい……」
ミリアは言われたとおりの動きをする。
ミリアの前ではカーテンに写ったミリアの影が同じ動きをしている。
影に凹凸のあるミリアの身体のラインが反映される。
「そのまま身体を45度回転させてくださいネ」
「はぃ」
ミリアが動くと、
『ヒソヒソ……』と妖精達が話をし始める。
ミリアが耳を澄ませると、ちくびという言葉が聞こえてきた。
「え……」
影を見ると胸の先がツンと尖っているのが解る。
「あ……ぃや……」
ミリアが隠そうとすると
「動いちゃ失格ですからネ」
と、押しとどめられる。
「えーん、そんな……」
恥ずかしいので、出来るだけ影を見ないように意識するのだが、
そうすればそうするほど、意識が胸の先に集まってしまう。結果、余計に硬くしてしまう。
「ひえーんッ、もうやあ〜……」
ミリアの希望とは裏腹に、ワンポイントの指示は続き、
足を開かされたり、寝そべって脚を上に上げさせられたり、いろいろなポーズを取らされてしまう。
それでも、恥ずかしいながらも、身を震わして耐えるミリア。
そして……
「では最後のポーズですネ。最後はブリッジをしてくださいネ」
「は、はぃ……」
ミリアは手を床について、身体を持ち上げる。
カーテンの影に美しい弧を描いたミリアの曲線が現れる。
妖精たちがまたざわつく……
ミリアはまた胸のことを言われてると思ってまた顔が赤く染まる。
しかし、耳に入ってきた言葉は「毛が……」という言葉。
ミリアははじめはよく分からなかったが
首を曲げて影を見ると、秘丘あたりに線のような影ができていた。
ざわわ……ミリアの全身で身の毛がよだつ。
「見、見ないでくださいー……」
ミリアの希望とは裏腹にたっぷり時間をとられてしまう。
「ぁ、だめ力が抜けちゃう……」
羞恥やらなんやらで、ミリアは身体の力をうまく入れられなくなり、ふるふると腕や足が震える。
「も、もうだめー」
ミリアが限界を感じたとき、ワンポイントが止めた。
「……はい、合格です。よく頑張りましたネ」
と。
最後に褒められたものの、もうお家帰りたくなるミリアであった。
最上階の部屋――
「侵入者さんは間に合いそうにありませんわね」
更にフロンリーフのスカートに風船が取り付けられていた。
6個、そして7個。
フロンリーフのスカートがふわりとめくられ
ふとももが全方向で顕になる。
「きゃ……」
「お姫様も型なしですわね。
「うー」
姫は悔しさと恥ずかしさで目に涙を貯める。
「ぎりぎり。ほんとぎりぎり見えませんわ。でも。少し動けばはずみで見えてしまいますわよ」
そう言って勝ち誇る。
「でも、次はもう覚悟が必要ですわ。お姫様」