ミリアの特訓。
「ヘッヘッヘッヘッ、さあお嬢ちゃんたち、金目のものを置いていきな!」
ここは街道。野盗が5人、ニヤけた笑いを浮かべながら、ミリアとルルを取り囲む。
金品を野盗に差し出したとしてもふたりが無事である保証はない。ミリアは既に剣を抜いていたが、如何せん多勢に無勢、不利は明らかだった。ふたりの額に汗が滲む。
「何も取って食おうってわけじゃないんだ。金や武器、貴重品の類を置いていってもらえりゃ俺たちはそれで、うあっ!!・・・」
突然、しゃべっていた男が前のめりに倒れた。
「へっ!?」
その場の誰も何が起こったのか理解できなかった。
「ううっ!!」
またもうひとりが倒れる。
1人の女がゆっくりと歩いてくる。女は腰のポーチから滑らかな石を取り出して、スリングにセットし回し始める。
「こっ、この女ぁ!」
3人が剣を振り上げて女に襲い掛かった。と、回転運動によって十分に加速した石がひとりの喉元に命中する。
「ごふっ!」
たまらず倒れる野盗。残った野盗が女に斬りかかる。
「おっと」
身体を斜めにしてひらりと剣を避けると、カウンターで掌底を野盗のアゴに入れる。振り向きざまに、後ろ回し蹴りが残った野盗の首に入った。
見事な体術!腰の剣を抜くまでもなく、5人の男を瞬く間に気絶させてしまった。
「大丈夫かい?」
女は息ひとつ切らさずに、ふたりに声をかけた。
 
「ほんっと、助かりました。ミラーシュさん」
ウルウル瞳を潤ませながら礼を言うミリア。野盗を倒してその後、3人は一緒に行動することにしたのだ。
「なに、いいってことよ。気分的に誰かをぶちのめしたいと思ってたところだし」
スリングの丸い石を、片手でお手玉しながらミラーシュが答える。
街行く男共はミラーシュに視線が釘付けだ。丈の短いタンクトップにホットパンツ、健康的な浅黒い肌、はち切れんばかりに胸と腰を揺らして歩いていれば、どんな男でも目を奪われてしまうだろう。
宿屋にチェックインして部屋に入ると、いきなりミラーシュは一升瓶をあおる。
「プハーッ、いいねえ酒は!」
ソファにどっかりと腰を下ろしてグビグビと飲む。
「あ、あたしもミラーシュさんみたいな強い剣士になりたいです」
圧倒的な強さを目の当たりにしたミリアが顔を紅潮させながらミラーシュに言う。
「がっはっは!ゆうしゃ様は剣を振り回すというより、剣に振り回されてるって感じだからなあ」
ルルがミリアをゆうしゃ様と呼んでいるのを耳ざとく聞いたミラーシュは、同じように呼ぶようになっていた。
「でも、どういう鍛錬をしたらミラーシュさんみたいに強くなれるんですか?」
ミリアも一所懸命訓練を積んでいるのだが、とてもミラーシュのような身のこなしができるとはミリア自身思えない。
「もしよかったら、ゆうしゃ様にお稽古をつけていただけませんか、ミラーシュさん」
ルルもミラーシュにお願いする。
「うーん・・・」
ミラーシュはミリアにちらりと酔った眼差しをくれた。
「お金は用意いたしますし、足りなければ王宮からも予算をつけられるよう取り計らいますが・・・」
ルルが実務者の顔になって条件を切り出す。
「金はいらねえ!」
大きな声で叫んだミラーシュが、一升瓶をもったままミリアをしげしげと見る。
「ようーしわかった、ゆうしゃ様を一から鍛えなおしてやろう」
ミラーシュはミリアの顔を覗き込みながら言った。
「ほ、ほんとに!?」
ミリアとルルの顔がぱあっと明るくなる。
「あたいの修行は厳しいよ。それでもついてこれる?」
「はいっ、厳しくてもついていきます」
居住まいを正して答えるミリア。
 
「まーずだ。どうして身体が剣に振り回されるか分かるかぁ?」
ミラーシュの顔はすでに赤く目は座っている。
「ええっと、力不足でしょうか。その、一応毎日筋トレはしてるのですが・・・」
ミリアが視線を泳がせながら答える。
「ダメだダメだ!手足の筋肉を鍛えたところで振り回される力が大きくなるだけだ」
ミラーシュが大げさに両手を頭の上でクロスさせる。
「骨盤だよ!腰がフラフラしてっから、いつまでたっても剣に振り回されるんだよ!」
無闇に大きな声をミラーシュが張り上げる。典型的な酔っ払いだ。
「骨盤底筋が弱いっていうことですわね。骨盤底筋が緩むと姿勢が悪くなり、身体のバランスが悪くなるのです。骨盤底筋は内臓を下から支える重要な役割があるのですよ」
ルルが紅茶をすすりながらコメントする。
「そうだ!それそれ!ルルはよく知ってる。ゆうしゃ様は骨盤てぇ筋がよぇーんだ。だからあっちへフラフラー、こっちへフラフラー。一から鍛えなおさないとダメなんだっ!」
やにわにミラーシュが立ち上がる。そして、ミリアの手を掴んで縛り上げる。
「きゃ、きゃあああ!!」
ミリアの悲鳴。
「な、何をするのです!?」
ルルも声をあげて立ち上がる。
「騒ぐな!これは、ゆうしゃ様の修行だ。身体の歪みを矯正するためにはどうしても必要なんだっ!」
ミラーシュは言っている間にもテキパキとミリアを縛り上げる。とても酔っ払いとは思えない手さばきだ。
「そ、そうでしたのね、突然でしたのでわたしもびっくりしてしまいました。はじめからそう言ってもらえればよかったのにです」
ルルが胸に手を当てながら見当はずれの意見を言っている。その間にもミラーシュによって、ミリアの両腕は後ろに回され手首を結わえられている。
「え!?ちょ、ちょっとっルルッ!助けてよっ!」
驚いたミリアがルルに訴えかける。
「それでは、わたしは失礼したほうがよさそうなのです」
すっかり落ち着きを取り戻したルルが言う。
「そ、そんなあ、ルルッいかないでえ、助けてぇ!」
ミリアが身も世もなく涙目で訴えかける。
「あら、ゆうしゃ様ったら、わたしに見てもらいたいのかしら」
ルルの目じりが嗜虐的に細くなる。
「おう、見てけ見てけ!」
ミラーシュがミリアをソファ深くに押さえつけながら楽しそうに言う。
「ええっ、見ないで!ルルのいじわるぅ!ね!ミラーシュさん、お願いひどいことはやめて!」
「ゆうしゃ様、トレーニングとは厳しいものなのです。よい先生に見ていただけるのですから、このようなチャンスめったにないことなのです。ミラーシュさんに感謝こそすれ、やめてと言うなど論外なのです」
ルルがあさっての方向に目を上げながらひとりごちている。ミリアの手首を結んだ縄尻は胸にまわされ上下から絞り上げる。
 
「なに、ゆうしゃ様?つい今しがた厳しくてもついてくるって言ったんじゃなかったっけ?」
ミラーシュがニヤリと口の端を持ち上げつつ、意地悪く聞いてくる。
「えっ、言いましたけどそれは・・・」
口ごもるミリア。
「これはゆうしゃ様にとって大事なことだ」
ミラーシュがミリアの脚をソファの足に縛り付けながらぴしゃりと言う。
「そうですわよ。骨盤底筋が弱いと、激しい運動をした時にお漏らしをしてしまうかもしれないのです。それはゆうしゃ様にとっても困ることなのです」
ルルがミラーシュに同意する。
「ううぅ・・・」
言い返せないミリアは唇を噛む。
そうこう言っている間に、ミリアは一人がけソファで、Mの字に脚を開かされて拘束されてしまった。
「こっ、これのどこが修行なんですかぁ!」
ミリアは半べそだ。毛ほどの躊躇もなく、ミラーシュはショーツの端を鋏で切り取り、ミリアの大事な地帯を空気にさらしてしまう。
「ひゃっ、きゃああああ!!、み、見ないでぇー!!!」
ミラーシュが右の中指を唾液でまぶすと、無遠慮にそのままミリアの入り口から突っ込む。
「い、痛い・・・」
ミリアが鋭く悲鳴を上げる。
「痛いのは筋肉がヒヨワだからだよ。ほら、ここが骨盤底筋。締めてごらん」
無茶なことを言いながら、ミラーシュの中指がミリアの体内をグリグリと擦る。
と、ミラーシュの手のひらが、ミリアの尻たぶを強い力で揉みあげた。
「誰が腹筋を締めろと言ったんだ!あたいの指を締めるんだよ!!」
「ご、ごめんなさい。あたし・・・。ごめんなさい」
あまりにも突拍子もないことが連続して、ミリアは訳も分からず泣きじゃくる。
「ほらゆっくり息を吸いながら締めろ。ここに意識を集中させるんだよ」
ミラーシュがグリグリと中で指を折り曲げる。
「今度は逆にゆっくり息を吐き出すんだ。全身を弛緩させろ。また締めながら息を吸うんだ・・・」
緊張と弛緩の訓練は何度も繰り返される。締めて、緩めて、吸って、吐いて・・・。ミリアは真っ赤な顔に息も絶え絶えだ。
「今度はこの石をくわえて締めてみるんだ」
スリングの石をふたつ取り出して酒をぶっかけた上でミリアに挿入する
「きゃ、きゃあああああ!熱い!熱いよお!!」
ミリアの腰が暴れまわる。アルコールが粘膜に染みているのだ。
「あら、ゆうしゃ様、消毒をせずに大事なところに入れるのはよくないことなのですよ」
ルルが妙に冷静に、しかし潤んだ目をしながら話しかける。
「うっうっうっうっうっ・・・」
ミリアの顔は涙と鼻水でクシャクシャだ。
「10秒で息を吸って、吸ってる間締めたままにできるように訓練するんだ。石は普段から入れたままにして鍛錬するんだぞ」
中指でミリアの内側の石をぶつけながらミラーシュが言う。
「ああっ、もうあたし、だめぇ・・」
ミリアの下腹部が痙攣で震える。
「何だあ?だらしがねえなあ」
ミラーシュが呆れたように言うと、左手の指でミリアの恥丘、大事な突起のすぐ上をフニフニっと揉んで刺激を与える。
「ひっ・・・やっ・・・やぁんっ」
ミリアの腰がいやいやをするように揺れる。感じているのは明らかだ。
ミラーシュがなおも執拗にフニフニを続けながら恥丘と体内を挟み込むように両手の指で刺激する。
「いやっ、いやっ、こんなのいやぁあああ」
ミリアの腰が派手に暴れまわって、ソファをきしませる。
「そら!最後だ!いっけええ」
ミラーシュが追い込みをかける。
「あひっ!はうっ!ふあぁぁんん!!」
ブリッジをするように身体を仰け反らせた後、ミリアは反応しなくなった。
口元に笑みを浮かべながら顔を合わせるミラーシュとルル。
「ふふふっ、ゆうしゃ様、おイキになりましたわね。これはよいものを見ました」
ルルが目を輝かせながら言った。
 
 

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