プロローグ・モニカ。
大会前日−−
 
 モニカは街の片隅で街で路上ライブを行なっていた。
 胸元の開いたレザーの服と短パンを身につけ、
 つばの広い帽子を被り、緑色の長い髪を風になびかせる。
 お気に入りの弦楽器で激しくも熱いメロディを奏でる。
 彼女がこの街に来てから1週間。ゲリラライブにも関わらず
 演奏が始まれば人だかりができるまでの人気になった。
 「みんな今日も忙しいのに足を止めてくれてありがとう! 精一杯演奏するから楽しんでね!」
 彼女の曲は聞くと元気になると評判で、彼女自身とても楽しそうに演奏する。
 また、歌声も綺麗で遠くまで澄み通って聞こえる。
 だが、味方ばかりではない。
 「こらっ、誰に断って演奏している!あ、またあんたかー!」
 街の治安部隊が馬に乗ってやってくる。綺麗な顔立ちの大柄な美女。
 「あ、ルードルフィンさんだー。今日もお勤めご苦労様ですー」
 努めて明るい声で挨拶をするモニカ。今までに何度も演奏を妨害されている。
 「人通りも少ない郊外だし、大目に見てよー」
 全く悪びれた様子もない。
 『そーだそーだ、誰にも迷惑をかけてないじゃないか!』周りの人も不平を言う。
 「ええい、規則に従いたまえ。ほら、撤収ー!解散解散っ」
 飾の剣を振り回し観客を誘導する。
 『ブーブー』
 追い回され散り散りにされる観客。
 「ああん。せっかく盛り上がってきた所だったのになぁ。よーし、今日はルードルフィンさんにも踊ってもらおー!」
 モニカの弦を弾く速度が早くなる。曲がアップテンポとなる。
 「さー、次の曲は燃え盛る炎の唄だよ!」
 激しいメロディにモニカの歌声が乗り、辺りはまたしてもヒートアップ。群集が戻ってくる。
 「今日は最後までやめないから、みんな、笑顔をみせてね!」
 魔力を込めた演奏は人の心を震わせる。
 『おお、おおおおおおおお!』
 この曲を聞いた人々熱狂し、激しく体を動かす。
 「な、なんだこれは、身体が勝手に……動く」
 ルードルフィンもぎこちなくであるが、音に合わせて体が動いてしまう。
 「……ルードルフィンさん、踊り、お上手だよっ。さー、みんなもっともっとはじけちゃおう!」
 『おおおおおぉ……!』
 白熱した場となり人々の熱気が立ち上る。
 「いいよ、みんな! その調子。でも燃えすぎたかも。熱い……よし」
 ガバッ、モニカは上着をまくり上げるとそのまま投げ捨てる。
 『おぉぉぉー』『ひゅーひゅー』
 「ふー、皆のノリがいいから、熱くなってきたよ」パタパタと手の平で内輪のように顔を仰ぐ。
 「でも、まだまだまーーだ、これからが、本気だよー!」
 曲の音程が少し変わり、言葉通り周辺の気温が変わる、高く。
 『う…熱い』『熱い……』
 熱を呼び出す魔法の曲。
 耐え切れず、老若男女周りでも脱ぎだす人が出てくる。
 『ルニカちゅぁあん、最高だよー』
 と叫ぶおじさんはすっぽんぽんになって隠すこともせずブラブラさせていたり、
 『わたしも負けてられないわ!』
 あっちで綺麗なお姉さんもブラを脱いで胸を揺らしパンツ一枚で踊っていたり。
 一斉に脱衣大会の様相になってきた。
 『く、悔しいが、これはなんか身体が勝手に……』
 ルードルフィンさんも下着姿になってセクシーな身体をくねくねさせている。
 
 「みんな最高だよ! 明日はいよいよ闘いの大会に出るから、応援よろしく!!」
 
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