第五試合。
 準決勝− 初戦が全て終わり、つかの間の休憩。選手たちの控え室。
 
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 ルインの部屋
 
 「え、目隠しって?」
 ルインは氷の女王と、対戦相手の対策を真剣に話し合っていた。
 「うむ。ヒュプノは恐らく眼から催眠魔法を出していると思う。
  目隠しか何かで遮ればあるいは」
 と言って氷の女王はルインに布で目隠しをする。
 「うわ……ちょっと。これ私なにも見えないわよ?
  それにこんなので本当に防げるの?」
 「多分な」
 「多分って」
 「安心するがよい、目隠しが通用しない時のことも考えてある」
 「どうするの……っひゃ?!」
 耳の中に何か入れられるルイン。
 「耳栓だ。
  いざというときでも相手の暗示が聞こえなければどうということもない。
  ちなみに妾の声は直接脳に届くので安心するが良い」
 「う、うーん、目隠しよりは効果ありそうだけど。
  あ、でも。もしヒュプノも同じように、頭に直接話すことが出来れば。無意味じゃないのこれ?」
 「案ずるな。勿論その対応も考えているとも。……じっとしておれ」
 氷の女王はじっとしているルインの手首を後手に縄で縛ってしまう。
 「ちょ……!? 私もう闘いどころじゃないよね!」
 「懸案だったヒュプノの催眠魔法さえ防ぐことが出来れば、
  あとは我がどうとでもしてくれよう」
 「えー、うー、んー? なんかさ逆にすごく不安になってきたんだけど……せめてこの縄は外してくれないものかな?」
 「お。いいことを考えたぞ。更にこの紐をこうしてみると面白いかもしれんな」
 氷の女王は悪乗りして、縛った紐の端をルインの股の下に通すと。それをぐいっと上へと引き上げる。
 「っん?あふっ……!」
 不意に衣服越しにルインの股に縄が食い込む。
 「やっぱりふざけていたのね!! 身動きが取れないのをいいことにやりたい放題……! 今度したら殴るわよー!」
 ドスっ!
 「かはっ、もう殴ったではないか……」
 「今のは頭突きよ!誰かさんのせいでいま手使えないからね!」
 
 そこに、「あの、お取り込み中すみません。試合のお時間ですよ。よろしくお願いします」
 と、係りの者現る。
 
 「さて、行くか」
 「作戦会議して失敗した感があるんだけど……」ルインは不安と不満で胸がいっぱいだ。
 
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 控え室1 ヒュプノの部屋
 
 コンコン
 くつろぐヒュプノの部屋に来訪者あり。
 「どうぞ」
 静かに開かれるドア。
 「パン屋です……。今朝、注文頂いたパン……持って来ました」
 昨日、ぱんつを売っていた女パン店員さん。パンが入ったバスケットを差し出す。
 「そろそろ来る頃だろうと、待っていたわ」
 バスケットにいっぱいのパンを受け取るヒュプノ。
 目を細め、店員のミニスカートに向ける。
 「……もう一つ、追加であなたのパンを買える?」
 ビクッと身体を震わすパン屋。
 「も、申し訳ないですが……パンツは完売してしまいました
  (やっぱり。こう来ると思ってパンツ履いて来なかったんですよね)」
 「へえ、ということは。あなたノーパンでここまで来たと?
  (『こう来ると思ってパンツ履いて来なかった』って顔してるわね。その暗示をかけたので当然なんだけど)」
 「そ、そうですね……」パン屋はもじもじとスカートを抑える。
 
 ヒュプノは興味深そうな表情を浮かべ、
 「そういえば店から闘技場に来るまでに長い階段あるよね?
  その短いスカート、覗いてくださいって言っているようなものじゃない?」
 
 「あはは……私のスカートの中なんて覗く人いません……し……うぅ……
  (うぅ、本当はすごい視線を浴びていた気がします)」
 
 「それに今日は闘技場の前、人だかり凄いし、絡まれたりしなかった」
 
 「え、ええ。お気遣い有難うございます。大きなバスケット持っていましたしちょっと移動が大変でした。
  (ホントはパンを守ってたら、お尻とか胸とか痴漢されたし最悪でした……)」
 
 「それで膝までお汁が垂れてると」
 
 「えっ」慌てて膝を押さえる
 
 「カマをかけてみたんだけど……やっぱりね」したり顔のヒュプノ。
 「はっう、ウソなんですね」
 
 「濡れてるのはホント見たいね」
 「か、帰ります」
 
 「まあ、いいわ。昨日買った貴方のパンツ返してあげる。気をつけて帰りなさい」
 「あ、有難うございます」
 
 真っ赤な顔をして帰っていくパン屋の後ろ姿を見つめるヒュプノ。
 「……試合前の暇つぶしにはなったかしら」
 
 
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 『これより、ゆうしゃ様トーナメント準決勝第一試合を始めます
  太陽の門よりルイン選手、満月の門よりヒュプノ選手です』
 
 
 ルインが登場すると、会場がざわめく。
 黒いローブを羽織っているのは前回同様だが、今回はそれに加え
 目隠をし、また手を後ろで縛られていた。
 ルインは足元がおぼつかない様子で闘技場の中心へと向かう。
 ウェーブ掛かった銀の髪が揺れる。
 「(……こんなんで大丈夫かなー)」
 
 
 対し、満月の門よりヒュプノが出場する。
 こちらもマントを羽織った魔導師の格好である。
 怪しく赤い瞳に光が宿る。
 「二回戦にもなると対策はされちゃうわね。
  それにしてもルインちゃん、手も縛るなんて徹底してるわッ」
 
 『――始め!』
 
 「氷の女王召喚!」
 ルインはマントをはためかせると
 眩しい光の中、氷の女王が現れる。
 「はい、呼ばれて飛び出てやってきた」
 
 「ん、いいのかな……ルインちゃんに暗示をかけるのは不可能でも、
  あなたに催眠術かけちゃうけど?」
 ヒュプノはルインではなく現れた氷の女王に視線を合わせる。キラリ。
 「我に催眠術だと……ククク、あはははは。
  笑止。この氷の女王に催眠術など聞くと思うてか」
 
 「くっ……、なんて自信なの。でも掛けられなければ私が負ける……!
  全精神力をかけて術中にはめてやるっ」
 「開眼……!」ヒュプノの目が怪しく赤く光り輝く。
 
 ………
 ……
 …
 
 
 蚊帳の外のルイン。
 「ど、どうなったの?」
 先程から、ヒュプノの声は聞こえないが、
 氷の女王のセリフと、目隠し越しに赤い光が輝いたのはわかった。
 それからしばらく経ったが状況が把握できない。
 「(……もしかすると、女王がすでにヒュプノを倒したかもしれない)」
 そういう期待も抱くが、
 「(でも、氷の女王の声が全く聞こえないし。彼女が勝ったら何を置いてもまず自慢でもするだろうに)」と
 不安が残る。
 ……
 ひたひた
 何かが近づいてくる気配。
 「女王?!」
 「……ああ、我だ」
 「よかった、勝ったのね?」
 「勝ち? ……いや」
 女王はおもむろにルインのローブを掴む。掴んだ場所がパリパリと凍っていく。
 「ルイン、こんな形で会いたくなかったが。悪く思うでない」
 ビリビリリ!!
 凍り弱くなった生地の部分がいとも簡単に女王に破りさかれる。
 「きゃっっ、女王何してるのよっ」
 「我はヒュプノに召喚されし氷の女王。敵対するものはルインであれぞ倒す他はない」
 「えーーーーー、こらこらこら!すっかり敵の術中にはまってる!自信満々だったのに!」
 「覚悟せよルイン!」
 ――ビリィッッ、ビリビリッッ
  紙を破るかの如く簡単に破かれていくルインのローブ。
 すでにあちこちからルインの肌が露出し、パリパリに成った下着がかろうじて彼女の危険な箇所を隠す。
 スラリとした凹凸の少ないラインが姿を表している。
 「きゃああッ……、この馬鹿っ、目を覚ましなさいー!」
 慌てて逃げようとするルイン。だが――ドンッ
 「ルインちゃん、逃げようとしても無駄よ」
 いつの間にか近くにきていたヒュプノにぶつかる。
 後から抱くように捉えられるルイン。
 氷の女王が近づき、丁寧に残っている衣服を剥がしにかかる。
 「女王、待ちなさい……いい加減正気に戻……っ」
 訴え虚しく
 パリリ……
 ブラも。そしてショーツも剥がされる。
 ルインは敏感な箇所が空気に触れるのを感じる。
 「きゃああ……っ」
 小ぶりながらも形のよい胸が震え、髪の毛と同じく銀色のヘアが陽の光に反射する。
 身をよじるが、手を縛られ身体を押さえられていては隠すことが出来ない。
 「(くぅぅ……悔しい。剥かれた、晒された……恥ずかしい。負けたぁ……)」
 しかし、ここで終了の宣言は出なかった。
 なぜなら目隠しや縄(あと耳栓)をつけているからだ。
 「さあ、氷の女王。私たちの敵に制裁を!」ヒュプノの眼がまた赤く光る。
 「……ルイン、主人の命だ。我に屈する時がきたな」
 氷の女王の手がルインの裸体に触れる。
 「えっ、女王?なぜまだ終わらない??……くふっ、ひんやり冷たい」
 ルインは目隠しと耳栓をしているため状況がつかめていない。
 女王の手が裏腿を滑る。
 「ひっ……」
 身体を仰け反るがヒュプノが抑えているため逃れられない。
 「ルイン、抵抗しても無駄だ。大人しくされるがままに」
 女王が耳栓をしている耳元で囁く。耳たぶを唇で挟まれ。
 「やめて……誰か止めてっ。――んんふッ」
 いつの間にか胸に手を当てられ捏ねくられてる。
 脚の間に女王の脚が入りこみ、太ももがきわどい部分を撫で上げる。
 「じょ、女王、だめ……みんな、見てる……」
 「ふふん、見せつけているのさ」意地悪く囁く女王。
 ツンと上を向いている胸の先を指先で突きながら。
 「きゃふッ……もうやぁ……」
 この自体を抜けだそうと頭を巡らすルイン。
 「(そうだ、降参をすればいいんだわ)こうさ……んぐぐ?!」
 言い終わる前に女王の舌が口に入る。
 「(――しまった、これじゃ降参言えない!)」
 焦るルイン。
 不意にヒュプノがルインの片足を持ち上げる。
 そして――
 くちゅぅ……
 ひんやりとした女王の指がルインの秘所に入ってくる。
 「んふぅっっ?!」
 
 ――そして、ろくに抵抗もできないまま女王とそしてヒュプノによって弄ばれてしまう。

 最後には目隠しなど全て外され全裸にされてしまったルインが
 ひくひくと身体を震わしていた。
 
 『全裸確認。勝者、ヒュプノ――決勝進出!』

 ちなみに正気に戻った氷の女王さま
 「我が間違えていた。すまない」とルインに少し謝っていました。
 
 
 
 
 
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