第六試合。
準決勝− つかの間の休憩。選手たちの控え室。
 
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 マーサマーニャの控え室に彼女の仕える初老の旦那様とお嬢様が訪れた。
 「マーサマーニャ君、よくやった。私は誇らしいよ」
 「有難う御座います。旦那様」深く会釈をするメイドさん。
 「マーサマーニャぁ、勝ったねーー。頑張ったね!」
 小さなお嬢様は天使の笑みを浮かべて抱きしめてくる。
 「……お嬢様」
 
 そんな光景を微笑ましく見ている旦那様。
 
 お嬢様は旦那様には聞こえない程度の小さな声で、
 「……マーサマーニャ、皆に見られちゃってた」
 「……お、お嬢様……?」メイドの背中に冷や汗が流れる。
 「……マーサマーニャのXXX皆に見られてた」
 「……?!!」マーサマーニャは先程の試合が脳裏に思い浮かぶ。
 「……XXX見られてたとき? 恥ずかしかった?」
 「……お、お嬢様何を……」恥ずかしい言葉を耳もとで繰り返し囁かれマーサマーニャは顔が赤く上気する。
 「……いいから答えなさいっ……」
 「……それは、も、もちろん。恥ずかしく感じました、当然で御座いましょう?……」
 「……マーサマーニャのコト、あたし見ててなんかドキドキしてキュキュンってした……」
 「……お、お嬢様ぁ? だから見てはならないと申したではありませんかっ……」
 「……この気持は病気、それとも…大人への階段?……」
 「……お嬢様っ、それ、大人の階段途中で道を踏み外していらっしゃいますから……っ
  ある意味ご病気で御座います〜っ……」
 旦那様の位置からはマーサマーニャの表情しか見えていないが
 顔を真赤にして涙を浮かべる様子を見て喜びを分かち合っているのだと大きく勘違い。
 
 
 「あの、旦那様。旦那様の深慮なお考えがあると存じますが
  やはりお嬢様にはこの大会、刺激が強いと感じております。次戦は控えられては」
 「ん? 娘にはマーサマーニャの活躍を見て勉強させようと思うが。何か問題でも」
 「え、ええ。たとえば女性の裸など……」変に感づかれないようできるだけ冷静に伝える。
 「はっは、何を言っておる。ノンナは女の子だぞ。女が女性の裸体を見ても問題あるまい」
 「!? えっと……そのあのですねっ」ノンナはお嬢様の名前。
 メイドはこの人もこの人で問題だなと感じ、どう説明したものかと言いあぐねていると
 「マーサマーニャ……」
 お嬢様が呼び止める。
 「……今度はちゃんと負けて」
 小声で脅す。
 ゾクリ――その一言は身体を震わす何かであった。
 
 「楽しみにしてるから、がんばって!」
 お嬢様はまた天使の笑みに戻り旦那様と共に部屋をあとにする。
 
 
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 マリエルの控え室には8名の修道女が集う。
 8名の修道女達は心をひとつに何か作業に取り掛かっている。
 床に広げた布に裁縫をしているようだ。
 
 「ここはこの長さでいいですか?」
 定規を持った修道女が返事を待つ。
 ハサミを持った修道女が
 「ここ切ってしまいますね」
 と。そして針を持った修道女が
 「ここ縫い付けちゃいますね」
 と言う。
 「ここ塗り終わりましたー」
 絵の具を持った修道女が言う。
 
 ――そこへ天使のマリエルが部屋へ戻ってきた。
 「戻ったよー。あれ、子羊ちゃんたち、何を作ってるのかな?」
 マリエルが聞くと。
 「マリエル様、見てください。じゃーん、応援旗です!」
 旗を掲げたの女の子が言う。
 ”マリエル様がんばれ”と大きく書かれた旗が掲げられる。
 「わー、大きい旗。皆で作ってくれたんだ?すごいねー」
 「あと賛美歌も作りました!」
 『綺麗なマリエル様ラララ〜♪』
 「歌詞が十七番まであります!」歌の上手な女の子が言って続けて歌う。
 「そんなにっ」マリエルは目を丸くする。
 「マリエル様、私達は応援することしか出来ません。
  でも、その分精一杯応援します。少しでもお力に成れますでしょうか?」
 リーダー格のロングヘアの女の子が代表して声をかける。
 「う、うんうんっ。そんなに応援してくれたら百人力だよ!」
 何度もうなづくマリエル。
 そんなマリエルの様子を見て、
 「マリエル様が敗れるなんて全く考えていませんが、
  万が一の時は一蓮托生です。私も共に、、、脱ぎます」
 と、ポニーテールの女の子が思い切って告白をすると――
 「そうです!マリエル様だけに恥ずかしい思いはさせません!」
 そうだそうだ、と、8人の少女たちは思い思いにマリエルに告げる。
 「ありがとう、子羊ちゃんたち。
  あーもー、みんなに恥ずかしい真似をさせられないからっ、絶対に負けられないよー」
 思いがけないくらい皆の気持ちに感動して
 目が潤んでしまう天使様であった。
 「マリエル様ー?」心配した少女たちがマリエルに近寄る。
 そんな彼女たちをぎゅっと強く抱きしめるマリエル。
 「大好きなみんなにきっときっと勝利をプレゼントするからっ」
 少女たちみんなと指を絡め、必勝を誓うマリエル。
 
 
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 『これより、ゆうしゃ様トーナメント準決勝第一試合を始めます
  太陽の門よりメイドのマーサマーニャ選手、満月の門より天使マリエル選手入場です』
 
 
 満月の門よりメイドのマーサマーニャが現れる。
 長いスカートのメイド衣装をお上品に着こなしている。
 ストレートの黒く長い髪を後にひとつに束ねている。
 
 
 そして、満月の門から登場してきたのは天使のマリエル。
 頭に黄色い輪。背中に小さな羽、そして純白の天羽衣。
 少しクセっ毛のある長い髪。身長に比べとても立派な胸。
 
 『準決勝、第二試合、始め!』――開始を告げられる。
 
 「天使様、よろしくお願い致します」マーサマーニャが深くお辞儀する。
 「メイドちゃん、さっきのあなたの試合は見せてもらったよ。ボクの敵ではないね、なぜなら!」
 天使マリエルは剣の柄を手持ち構えると。
 「集え――フェザー・セイバー」
 彼女の天使の羽が弾け、その剣の柄に集まる。
 「?! 何でしょう。とても長いモップ、猫じゃらしのようにも見受けられます」
 警戒するメイド。
 「ボクと猫ちゃんとの試合は見ていたかな?
  彼女はたった2本の羽で落ちちゃったけど……これはたくさんの羽で束になってるから、すごいよー」
 話しながらゆっくりとメイドに近づく天使「いつまで持つかな?」目を細め小さく笑う天使。
 「……これはまたお嬢様の教育にはあまり良い影響とは言い難く」
 後ずさるメイド。
 「メイドちゃん。自分の心配はしないの?」天使は不思議そうに問う。
 「メイドというもの、まずはご主人様の心配からしてしまうものです。
  確かに、想像いたしますと、非情に耐え難く存じます」
 顔を赤くするメイドさん。
 「さあ、どこを撫でて欲しいかなー。首?背中?胸?お腹?
  羽がメイドちゃんの身体を隅々までくすぐっちゃうよねー」
 羽のモップをふりふりと動かし、メイドさんの身体の各部分に穂先を向ける。
 「……せ、せっかくのお言葉ですがどこの箇所もお断りいたします……」
 身体に羽でなぞられる想像してしまい、ぞわぞわと鳥肌の立ったため、自身の身体を抱く。
 
 「いくよー!、ボクと戦うことになった運命を呪ってね」
 羽のモップがメイドさんの身体に触れると、
 「きゃんっ、お止めになってくださいましっ」
 体中に電撃が走ったかのような刺激に悲鳴をあげる。
 天使が攻撃を次々に始めようとした瞬間――
 メイドさんは、ぱしっと天使の手を払う。羽モップが地に落ちる。
 「えっ……」
 天使は驚いて絶句。
 「申し訳ありませんが、拝借します」
 メイドは羽モップを拾い、それを武器に反撃をする。
 不意を突かれ、羽のモップが天使の腕に触れる。
 「ニュわッ!?」
 更にで太ももを強襲。
 「はぁン!」
 天使が堪えきれず前かがみになったところに、すかさず
 大きな胸で開いた胸元にずっぽりと長いモップを差し込む。
 天使の胸の間を数百枚の羽がなぞっていく。
 「あひゃいいぃぃぃぃっ!!」
 モップは進行を止めず、ワンピースの隙間を通り
 股下へと。
 「そ、そこはっ?!はふうぅぅーーン!!!」
 思い切りよがってしまう天使。
 「はあはあ、それでもボ、ボク負ける訳にはいかないからっ。んっふぅっ」
 ぎゅっとモップを抱きしめ、メイドからモップを奪い返す。
 「はふはふ、取り返した。しょ、勝負はこれからだよぉー?」
 呼吸も絶え絶えの状態だが、気力を振り絞る。
 「ご要望に添えず申し訳ありません。既に勝負ありました」
 メイドは糸を掴んで勝ち誇っている。
 「何その糸……?まさか……」天使は目で糸たどると、
 天使が纏う羽衣の、スカートの先に行き着く。
 「天使の衣は天衣無縫と申しますが、本当に縫ってはいらっしゃらないのですね。
  一つのほつれから、するする解けて行きます」
 メイドは持参の糸巻きを手にし、そこへ糸を巻きつけていく。
 膝丈のスカートの裾からどんどんと糸が解かれていき、裾はその分短くなっていく。
 「あぁ……っ、また神の試練が……」
 天使はこのままではいけないと、なんとか手にモップを持ち、攻撃をしかけるのだが、
 余韻が消えず火照ったからだが思うように動かない。
 メイドは簡単にその攻撃をかわしながら
 天使の服の糸をどんどんと巻き取っていく。
 短くなったスカートの丈からチラリチラリとぱんつが見える。
 観客のボルテージは徐々に上がっていく。
 ぱんつが丸見えになる――と、今度はぱんつが解けてくる。
 天女の服は、すべてひとつながりになっているのだ。
 「うひゃっ、神よ〜……!
  うぅ、しかししかしっ、ボクは子羊ちゃんたちのために、ここで立ち止まるわけには」
 下半身丸出しで闘う天使。見られたくない部分なのに周りの視線を一点に集め
 恥ずかしさのあまり更に動きが鈍くなる。
 服はどんどん巻き取られていき、お腹、そして、とうとうブラも露出が全開になる。
 すると、ブラもぱんつと同じよう糸となって解かれていく。
 固く尖った胸の先も徐々に露わに。
 天使は最後まで攻撃をやめず勇敢に戦ったが、
 全裸になってしまったので、『全裸確認』で負けとなった。
 
 一方、観客席では――
 
 「あーん、マリエル様が負けてしまいました」
 「マリエル様にだけ恥ずかしい目には合わせません!皆さん一緒に脱ぎましょう」
 『は、はい!』
いそいそと、8名の少女も修道女の服に手をかけて脱衣を始める。
 周りを囲む観客らに好奇の目を向けられながら
 「み、みなさん。恥じらっていてはいけません…マリエル様のことを思えば」
 「む、むしろ私たちの裸に視線を向けさせて天使様は出来るだけ視姦されないようにしましょう……」
 「は、はいぃぃ……!」
 周りは突然始まった集団ストリップショーに歓声を送る。
 全裸になり、中には恥ずかしさのあまり動けなくなってしまうものもいたが、
 震える身体に勇気を出して大胆なポーズで視線を惹きつけるかいがいしい姿もあった。
 マリエルと彼女らの相互に、庇おうとする思いが彼女らを救っている。
 
 
 
 
 
 
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