宴会。
四人で旅館にお泊りで宴会をすることになった。
参加者は以下の4人。
ゆうしゃミリア、占い師ルル、土の魔女ミラーシュ、王国諜報員シロナ
主催者はルル。
ルルは勇者を導く役と、育てる役、看視する役目を王国より受けている。
そのため定期的に王国の諜報員と接触し、ミリアについてを報告している。
王国の諜報員は何人かいるがその中で彼女が一番信頼を置いているのがシロナである。
今回、ゆうしゃに直に会いたいというシロナとミリアを直に知ってほしいとの思惑が一致し、
宴会の席を設けることとなった。
また、ミラーシュはたまたま遭遇したところをミリアが誘った。
夜も更けてきて
お風呂とご飯を終えてまったり団らんとしている一同。
衣装は四人とも寝巻きである。こういう宴会の場の寝巻きはひとえの服装(浴衣)に
腰に帯のリボンを巻いている。
ミラーシュが口火を切る
「宴会といえばあれをしないとっ」
酒の入った容器をくるくる回しながら言うところを見ると、だいぶ酔っているようだ。
「あれって…なんですか?」ミリアの疑問に
「なにかしら、なにぶんこのような宴への参加は初めてで…」ルルも顔を見合わせる。
シロナは少し考えて「まさか、あれを…?」思い当たる節があったらしい。
ミラーシュは頷いて一言「ぬぎぬぎじゃんけん」。
「ぬぎぬぎじゃんけんとは」その言葉の意味するとおりじゃんけんをして負けてしまうと
ペナルティとして一枚ずつ脱がされなくてはならない、宴会7遊びの一つである。
「ええええっ」その発言に驚いた一同。だが、「宴会だから無礼講、楽しんで何ぼだから」と
意見をひっこめようとしないミラーシュに
「それはそうですね、確かに宴会といえばこれが定番ですし」
と案外乗り気のシロナ。残り二人は不安げ。
2対2。ミラーシュは切り崩しにかかる。標的、視線の先ははミリア。
「ミリアちゃん。お願い。お姉さんといいことしましょう」その目をそらさない。
ミリアは頼まれると断れない性格でミラーシュはそこをついたのだ。
ルルもそれを良く知っている。「は…はぃ」との返事に。
ルルはため息をついて「私には神様がついているので、負けることはないです」と参加を決めた。
第一回戦−
シロナVSミリア
「ゆうしゃさまお手柔らかにお願いします」とシロナ
「あ、あたしも負けないように、一生懸命がんばりますっ」とミリア
1回目、じゃんけんぽん
シロナ:パー
ミリア:グー
シロナの勝ち、ミリアの負け。ミリアはシロナに一枚脱がされます。
「ゆうしゃ様大変失礼ですが」
言葉とは裏腹に器用な手つきでするするとリボンを解き、肩から服をするりと脱がせます。
「えーんっ」白い下着姿になったミリアは最初の脱衣ということもあって
みんなの視線から逃げるように体を隠します。
観客より野次が飛びます。
「ミリアちゃん可愛い」ミラーシュ
「ミリア、そういう動きをする方がえっちだと思うのです」ルルも少し興奮している様子で。
2回目、じゃんけんぽん
シロナ:パー
ミリア:グー
「ゆうしゃさま、無礼講とはいえどうぞお許しを」
あっという間の早業でブラの止め具をはずすシロナ。プロの動きである。
するりとずれ落ちるまでそれに気が付かないミリアもミリアだが。
そのせいで胸の先がしっかりと観客の二人に見られてしまう。
「み、見てないよね?」と慌てるも…
「見てしまいました…」顔を隠しながら指の隙間から覗くルル。
「あたしの動体視力を馬鹿にしてはいけない。胸の先が立ってたのを確認」
余計にはずかしがらせるミラーシュ。
3回目、じゃんけんぽん
シロナ:チョキー
ミリア:チョキー
あいこ。
「ふわ、負けたくないよぉ〜」ドキドキのミリアに。
「あいこですね」余裕しゃくしゃくのシロナ
4回目、じゃんけんぽん
シロナ:グー
ミリア:チョキ
「ゆうしゃ様ご覚悟を」言うや否やシロナの指がミリアのショーツをつかみするりと
滑らせておろしていきます。
「や、やあぁん!」両手の指をいっぱい開いて、大事な場所をしっかり隠そうとするミリア。
「わぁぁ、ミリアちゃん恥ずかしいね」手を叩いて喜ぶミラーシュと対照的に
「はう」えっちな雰囲気に飲まれまいと、ごくごくとそばにおいてあるお酒を飲んでしまうルル。
勝負あり。
そして
「うぅ、目が回るようです。」
慣れないお酒のせいで、目を白黒させるルル。だいじょうぶ?
服を着なおしたミリアがルルを介錯しようとします。
夜風に当たってくるといいのではないかとルルを連れて外に出るミリア。
残された二人はお酒を飲んで楽しんでいるようす。
綺麗な虫の音が聞こえる。
月明かりでぼんやりと明るい。
大きな切り株を見つけ二人座るミリアとルル。
酔っぱらい中のルルはミリアの肩にもたれかかっている。
「ごめんね」
ルルがミリアに。
「ううん、お酒いっぱい飲んじゃったね」
ルルの弱気な姿は珍しいな、ミリアは思う。
「…そうじゃないのです。わたしの占いで、ミリアにいっぱい迷惑をかけてしまって…っ」
真っ赤な顔でミリアに
「ルル…?」
「ごめんなさい…」
酔ったせいなのかルルの調子がおかしい。
「……」
沈黙が流れ、虫の音だけが聞こえてくる。
「…あのね、ルル」
ミリアが口を開く。
「感謝してるの、ほら、あたしルルに合うまでは…ずっといじめられてて。
でも、今はお友達もたくさんできて。ルルと知り会えて…
いつもいつもえっちな目に合っちゃうのは、恥ずかしいけど…っ。
でも今の生活、昔じゃ考えられないし。……好きなんだよ?」
「ミリアっ」ルルに、ぎゅっと抱きしめられる。「わ〜っ」
「…やっぱり変だよルル、部屋に戻………っっ?!」
ルルの唇がミリアの唇に触れる。
ドッドッドッ。ミリアの鼓動が早くなる。
触れたのは一瞬だが、ミリアには長く感じられた。
「んきゃっ……」ルルの体重がドンドンミリアにのしかかり、
堪えられなくなり、後ろへ、草むらへ倒れる。
「…いたた」
目を開けると、ルルがミリアの上になっていて。
視線を下げると、服(和装)の胸元からルルの胸が見えてしまう。
思わずどきりとするミリア。
「ル、ルルどい…て……」と言いかけて自分の服が乱れているのに気がつく。
野球拳の後だったのもあり、ルルを早く開放しなきゃいけなかったのもあり、
ミリアはブラを外していたのだった。
ルルの目前で二つの胸が顔を出している。
しかもルルはじっと胸を見ているではないか。
「…うゎぅゎ」恥ずかしくなり頭が真っ白になるミリア。
ミリアからはスローモーションのように見えた。
ルルの手のひらが、ミリアの胸を掴もうとしている。
もみ…
「ふくぅ……!」声が出そうになり、口を抑えるミリア。
もみ…
体全体が痺れる。
(ルルぅーー正気に戻って…)
祈る。
しかし、ルルはミリアに身体を密着させ−−−
(わ、わわわわわわわ、わーわーーー!!)混乱するミリアを余所に
そのまま動かなくなった…
やがて聞こえ出す安らかな吐息。
次の日。
「おはよう、ミリア。よく眠れました?」
清々しい朝の挨拶。
「お、おはよう」ぎこちなくおはようを返すミリア。
あの後ルルをなんとか部屋まで運び布団に入れ。
ミリアは気持ちが落ちつかずなかなか眠れなかったのだ。
その上シロナには
「昨夜はお楽しみでしたね……」だなんて
声をかけられたりしたものだから。
「な、何もありませんでしたっ。(見てたの???)」顔を真赤にしてしまう。
「くすくす」と笑われる始末。
(どうしたの?)と言った表情のルルに、
(もう絶対にルルにはお酒は飲まさせない)と、心に誓う。