美少女コンテスト。
とある婦人服売り場にて−−

「ミリア、似合う似合う!」
すっかり着せ替え人形と化したゆうしゃ様の姿がそこにあった。
「あのっ、ルルぅー」
「次はこれとこれと、これとこれね」
どさりと渡され試着室に押し入れられるゆうしゃ様。

「着替えた?開けますよー」
「やー、まってまってっ」
何度もそんなやり取りがあったのち、ルルが今回の目的を伝えた。
「ミリア、あなたには美少女コンテストに出場してもらいます!」
「ええーーー?!」
「賞品があなたにはぜったい手に入れなきゃいけないアイテムなの。ミリアがんばってください」
「こ、こればかりは、自信が無いです」ルルの顔色を伺いながら不平をもらすミリア。
「大丈夫。あなたにはできます」
こういうときのルルは、何を言っても無駄だとミリアは良く知っている。
「ルルも、ルルも出て」知恵を振り絞って出たセリフがこれである。
一瞬意外そうな顔をしたルルも「わかりました」案外あっさりと同意した。

そして、当日。
「あ、ルルー、面接どうだった?」
ぶんぶんと手を振り合流する二人。
「審査委員の感触は悪くありませんでした。ミリアは苦手そうだけど、どうでした?」
「緊張した…だめかも」
「む…なぜコンテストに参加しようと思いましたか?ミリアさん」審査員の真似にミリアは
「と…友達に誘われまして…」
「はぁぁ…だめですね」わざとらしくため息をついてやるルル。
そこへ、風の声拡大魔法であたりに知らされる。

『あ、あー、次の番号の方8名はステージへお越しください』
『エントリー?bP ミリア。?bQ ルル。?bP9 ソラベル、?bQ2 タニア、
?bS2 メルフィ、?bS4 シシス、?bT8 アンドーラ、?bU9サーラ』

「わー、通っていたよ!」「わたしも。やりました!」
跳んで喜ぶミリアとルル。
そしてステージに移動し、説明を受ける。ステージで特技を披露すること。
審査は観客で、盛り上がった上位4名が合格である。

「では、?bP ミリアさん、どうぞー」
ステージで司会の男性がミリアを指名する。
「あれ、ミリアさーん?」
ステージの裾でがちがちに緊張しているミリア。
「ミリア、しっかり。」ドンと背を押すルル。
「わ、たた。」
「緊張しているようですね、みなさんトップバッターですので大目に見てあげてください」
司会者が言うと「わはは」なぜかうける会場。

「ミリアさんは旅人とのことですが、特技は、何ですか」
「え、えーと、手品です!」
「そんなにガチガチで手元は大丈夫でしょうか、ではどうぞ。」

「ゆうしゃの剣、召喚!」
シャキーンとミリアの手の中に剣が(注1)
「ミリア、我輩を、呼んだか?」

「おーっと、ミリアさん手品で剣を出しました」
「…」ぽかーんと驚く会場。

「美少女コンテストで手品?我輩が言うのもなんだがもうちょっと可愛いものを
呼んだほうがいいのではないかのう?」剣にアドバイスされるミリア。
「そ、そだね。いったん消えて」(ぽん)消える剣。

「小鳥、召喚!」
しーん。観客もしーん。

「剣、召喚!」
ぼーん。また現れる剣。

「…どうやら、剣しか出せない手品のようですね」
(わはは)司会者のフォローにようやく盛り上がる会場の客。
パチパチパチ、拍手が沸く。

「ミリアったら」ちょっと小恥ずかしいルルであった。
隣では?bP9番 ソラベルがお腹を抱えて笑っている。

「では、次?bQ ルルさんー…占い師であるルルさんは神魔法が得意とのことです」
「はい、ルルです。会場の皆様に神の祝福あらんことを…」
ぽやぁと柔らかい白い光が会場を満たす。
なんだか皆幸せな気分になる。
パチパチパチ。

「?bP9 ソラベルさんー…ここ地元のアイドル、応援団も来ておりますが」
「はい、みんなの期待を受けています。がんばっちゃいます。今日は歌を歌います…
 らららー…♪」
パチパチパチ。

〜最終予選審査以下略〜

「さて、結果発表です

?bP ミリア
?bQ ルル
?bP9 ソラベル
?bU9 サーラ

次は、水着審査です。向こうの部屋に用意している水着から選んでください」


…こそりと怪しい影が一つ。「ソラベル様…言われたとおりに水着に切れ込みを入れておきました。
あとでサインください。」
「しめしめ…ありがとう」

残りの参加者は水着を選んでいる。
「あれ、ルル。ワンピースにするの?」ミリアの問いに
「ん、宗教の関係で無闇に肌を露出できないから」少しつまらなさそうな表情を浮かべる。
「そっかぁ」

「さあ、お待たせしました! それぞれ水着に着替えてもらいました。
一気に出場してもらいましょう。どうぞ!」
ぞろぞろ決勝のステージに並ぶ4人。
「ミリアさん前へ…可愛らしい白いビキニですね。着てみてどうですか?」
「…恥ずかしいです」はにかむミリア。「あの部屋の水着の中で一番気に入ったので着てみました」
「ひとつポーズをお願いします」
「ポーズ!? えと…こう…??」
頭の後ろと腰に手を回すお色気ポーズ。
ぷちん、トップスの紐が千切れる音。
当然、ぽよん、と胸が飛び出る。

一瞬の静寂のあと、(うおお)と感動する観客と「きゃああ」と叫ぶミリアの声で沸く。
ひとり、ソラベルだけ「しめしめ」と笑みを浮かべる。しかし
9点、9点、10点。高々と3人の審査員の札が上がる。
「おぉーと、これは嬉しいハプニングだぁ。審査員の審査もゆるくなったかぁー!!
 ミリアさん高得点28点!」
「はぅー」としゃがみこむミリア。

「次いでルルさん…は、少々地味なワンピースですが。
 ふむふむ、信仰上の都合で必要以上見せれないとのこと。うーん、ざんねんです」
 審査員の札も振るわず、6点、4点、5点 15点。

「さぁ、次!おらが村のソラベルさん。少しがんばりましたとは本人談。
 色白の肌に黄色のビキニが映えますね。ではポーズを…」
指を頬にあてて、ぶりっ子のポーズをとるソラベル。
「健康的なポーズできましたね…と、おぉお?!」
はらり…とソラベルの水着が落ちる。彼女の場合は上も下も。素っ裸。
本人は笑顔のまま。気がついていない。
実は、お隣の?bU9 サーラ(実は魔女)が水着の紐を魔法で切ったのである。

10点、10点、10点!札が上がる。
ようやく異変に気がつくソラベル。頬を赤く染めて自分の裸を何度も確認する。水着が無い。
「きゃああ!なにこれ、この水着にも切れ込みいれたの?!!役立たずうーー!」

サーラは「結果的に満点にしてしまったわ。ここは、仕方ないわね」と呟くと
自分の衣服を脱ぎだす。
「おーと?bU9 サーラさんは自分で脱ぎだしたぁー!しかし、なんと色っぽい脱ぎ方なのか」
と司会者。
10点、10点、10点! 「サーラさんも満点。ここで2人に30点満点が出ています。
少し離れてミリアさん28点、ルルさん15点」
「ミリアさん、このままでは負けてしまいますが!」何かをミリアに期待する視線を送る司会者。
目が血走ってる。

「う…あ」
頬をトマトの色にして、水着のパンツに手をかけるミリア。
静寂な会場には、観客のごくりと唾を飲む音と、ミリアの高鳴る心臓の音、ミリアの吐息の音。
するるる…
「ぬ、脱ぎましたぁぁ!」せいいっぱい腕を伸ばして隠すべきところを隠すミリア。
「こ、これは恥ずかしそう。恥ずかしそうです。出ますか…?!」司会者が審査員を見ると、
10点、10点、10点!
「出ました、これまた、満点!満点です! 3人満点。かつて無い結果です。
これから協議に入りますので、結果をお待ちください」


で、どうなったかというと
いくらなんでも裸はだめだろうとなり、3人失格。
結果、ルルさんの優勝となったのでした。

「やったー、ペンダント。手に入れました。ミリア見てー」ミリアの首につけ始めるルル。
「やっぱり、似合うと思ったの」

「ありがとう、ルル。それでこのアイテムの効果は?」
ミリアは聞いた。
ルルは首をかしげて「効果?」

「えっ?」予想もしない反応に驚くミリア。
「ミリア、すごく似合ってるよー」ミリアに頬ずりするルル。

「ええっ!」
目次
















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