リボン対リーン。

群衆の中心、闘技場に、二人の人物が現れる。
ひとりは、
顔の半分を被う蝶の仮面と、髪の後を束ねる大きなリボンが特徴。
軽装だがカラフルで上品な鎧を身に着けている。
大会の司会者に名前を紹介され観客から大きな声援を受ける。
　
シロナはミリアとルルに情報を与えてくれる。
「リボンは近頃、王都で活躍している謎の剣士です
　正体は不明ですが、都市部に稀に現れるモンスターを退治しています」
　
対するもう一方は
質素な服装で肩までの髪の毛。素朴な布の服を身に纏う村娘風のいでたち。
なぜか大きなフライパンを持っている。
大舞台に慣れていないのか、よそよそしい様子
　
「リーンは、モンスターに滅ぼされた村で、ただ一人生き残った少女です。
　彼女も殺される所、近くにあったフライパンで反撃、モンスターを全滅させたといいます。
　この話により熱狂的な支持者が増えていますし、今大会の優勝候補の一人として見られています」
　
「お噂はかねがね伺っていますわ。お相手できて嬉しいわ」
リボンはスラリと細く長い剣（いわゆるレイピア）を抜く。
「あ、いいえっ。よろしくお願いします！」フライパンを手にぺこりとお辞儀をするリーン。
　
　
司会者が合図を告げ、闘いが始まった。
両者とも合図と共に駆け寄り、掛け声と共にそれぞれの武器で攻撃する。
「たああー！」
「えーい！」
軽快に動くリボンに対し、武器を大きく振り回すリーン。
カンッと、リボンの剣がフライパンにはじかれる。
リボンがひるんだ隙に、ぐるんぐるんフライパンで攻撃をするリーン。
上から打ち下ろされたフライパンをかろうじて避けるリボン「く…」。
そのまま地面を叩きガンッと大きく鈍い音がする。
「大した破壊力だこと」冷や汗を浮かべるリボン。
「今度はわたくしから！」
隙を突いて攻撃態勢を整える。「はぁぁ！やー！」
剣をまっすぐに突く。
カンッ。これは、フライパンにはじかれるが、
速度を活かし、一転して攻勢に回る。
「きゃ、そうはいきません…」カンカンッ、上手くフライパンを盾にし猛攻に耐えるリーン。
だが、すばやい攻撃はそれだけで防ぎきれずに…
シュッ　シュッ
紙一重で衣服をかすめる。
その結果、服が切り取られ白い肌がところどころ露になってくる。
自身のフライパンで相手の攻撃が上手く見えずどうしても
身体の中心を離れた外側の攻撃を見切れないのだ。
シュッ　シュッ　シュッ
衣服が切り取られ、細かい布吹雪が宙を舞う。
「うあっ」たまらず大きく後ろへ跳ぶリーン。
　
「知っていて？裸に剥かれても負けというルール」
どこか嬉しそうなリボン。
　
ぴりり…身体を動かしたことにより、
切り取られた場所が破れつながり、大きく穴が開く。
下着がちらりと垣間見える。
「こ、これから本気出します！」
リーンは真っ赤になって反撃を始める。
　
「やあああ！」無我夢中にフライパンを振り回す。
ブンブン！
先ほどとは速度も威力も段違いで、リボンが避け地面に当たると
ガツンと地面にひびが入る。
　
「これが魔物を倒したときの力…！」リボンは驚くが、
ただ振り回すだけで、リボンには太刀筋が読める。ただ、ひとつでも避け損なえば負ける。
その緊張感に身をおきながら、器用にも避けながら剣をリーンの服に引っ掛け、引っ張る。
ビリリ！残された残り少ない布が取り除かれ、下着姿に。
「きゃ…」硬直するリーンに、
　
プチ…　プチ…
「はい、これでお仕舞いっ」
同様に下着にも剣をひっかけて上下ともすばやく取り除いてしまう。
　
「きゃ！！」慌ててフライパンで胸を隠すリーン。
全裸で胸だけフライパンでガード。
いままで固唾を呑んでいた観客が『わあああ！』とおたけびをあげる。
胸以外、つまり胸以外の前も背中もお尻も観客の前に露になっているから。
　
「全裸、確認。リボンの勝利！」司会者が勝者を確定する。
　
「とってもいい試合でした。
　でももったいないこと。攻撃の基礎を学べばもっともっと強くなるわ」
羞恥に震えるリーンに（ふぁさ）と、どこからか持ってきたマントを掛けてやる。
　
『りーぼーん、りーぼーん！』
観客の大きな声援を受け、それに応えるリボン。
　
リボン　対　リーン
リボンの勝利。
　
　
　

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