勇者さまトーナメント-終結。
次の日。
 
中央王国王宮にて、ミリアは王様よりゆうしゃのメダルを授かる。
王様は泣いて喜んでいたのでミリアはとても恐縮した。
 
晩餐会にも招待されたので参加することになる。
支度ができるまでお部屋で休んでいるように言われた。
 
「おじい様、ではわたくしがお部屋まで案内します」
そう買って出たのは王様の孫のお姫様、フロンリーフ。
ミリアの準決勝で闘った相手だ。
意図したことではないが、結果的に
フロンリーフを公衆の面前で裸にさせ、さらに正体までばらしてしまった。
何を言われるかミリアはびくびくとしている。
 
「ついてきてください」とても上品な笑顔。
ミリアはおっかなびっくりお姫様の後ろをとぼとぼ歩く。
謁見の部屋を出ると振り返りもせず
「よくもわたくしに恥をかかせてくれましたね…」
フロンリーフはぶっきらぼうに言う。
(き、きた)ミリアはすぐに「ご、ごめんなさいっ、ごめんなさいっ」詫びる。
「−−なんて、怒っていませんよ」。お姫様は先ほどと同じ笑顔で振り向く。
「お父様とお母様には強く怒られてしまいましたが」ぺろりと舌を出すフロンリーフ。
「おじい様は逆に国のためによくぞって。モンスターの討伐など褒めてくださいました」
そしてミリアの顔を覗き込み、
「恥ずかしい思いもしましたが、わたくしに勝ったミリアさんが優勝してくれて嬉しいです」と。
そのあと少し会話を交わし、
「ここの部屋、自由に使ってかまいません。晩餐会の用意ができたら呼びに来ますから」
と別れた。
 
晩餐会会場
 
会場には、ミリア、フロンリーフのほか、
リーン、サキ、キサナ、セリナ、ミラーシュ招待されたゆうしゃ様候補勢揃いと王様、その他使用人がいる。
食べ物はバイキング方式で新鮮で高価な食材が並ぶ。
 
ミリアには見たこともないご馳走を目にどれを選ぶか真剣に悩んでいたが、
ミラーシュが近くにいたので呼びかけてみる。
「ミラーシュさま…」
「あ、ミリアちゃん、優勝おめでとう」そして、ぎゅーっと抱きしめてくる。
「わわっ」危うくお皿を落としそうになる。まを置いて尋ねる。
「ミラーシュさま、どうして途中で棄権したのですか?」
「ごめんねー、ミリアちゃん。決勝で当たる約束してたのにさ
 他にもっと大切な用事があったのよー…ね」
そう言って、視線をセリナへ向ける。気がついたセリナは顔を赤くし、プイと顔を背ける。
「?」ミリアにはよくわからなかったが、二人で何かをしていたようだ。
「そもそも勇者になるつもりも資格もないし」
謎めいた事ばかり言って、あっちのテーブルへ。照り焼きのチキンを取りに向かった。
 
ミリアの隣にキサナが座ってくる。
二人は小さいときの思い出話や昨日の決勝戦の話をする。
キサナがミリアの成長をほめるので
「勝てたのは武器のおかげだよ」と本音を漏らす。
「…そんなことを言うなら、うちの武器もすごいんだ」と、キサナ自慢の変化式武器の
自慢話を聞かされることに。
 
みんなが談笑している最中に席を立つものが。
サキである。
「あのっ、途中で申し訳ないですがー、用事ができたのでこれで失礼しますね」
ぺっこりと大げさにお辞儀をする。
「西の魔女が大きく動き出すようなので、防衛に向かいますよう。
 どなたか手が開いたら手助けしに来てくださいー」
慌しく帰っていった。
 
ご飯のあとお風呂に入り、寝巻きに着替え、寝る体勢に。
ミリアはベッドに寝転ぶ。
「ゆうしゃ様かぁ…」なんとなく実感がわいてきて、顔が緩む。
 
コンコンッ
 
誰かがドアをノックする。
 
「はぁい?」ミリアがドアを開けると、そこにはミラーシュが。
「お邪魔しまーす、ミリアちゃんも遊ぼー」有無も言わさず入ってくるミラーシュ。
後から、フロンリーフ、リーン、キサナが続く。
 
ミラーシュが言うには「お姫様ゲーム」という遊びをするらしい。
彼女の説明によると人数分の棒に数字と一本だけ当たりが入っていて
その棒を引いた人が他の人に命令ができるそうだ。
ちなみにセリナは誘ったけど断られたらしい。セリナは協調性があまりない。
「ちょ、ちょっと、お姫様が必要と言うから来ましたのに。関係ないではないですか」
お姫様が苦情を言うも、時すでに遅しである。きっとミラーシュの口車に乗せられたのであろう。
育ちが良いから騙されやすいもよう。
 
「はい、お姫様だーれだ?」
「あ…わたし」
ミリアがひいていた。
「さあ、お姫様。ご命令を」恭しく畏まるミラーシュ。
ミリアは困り果てていたが、無難な命令を下すことにした。
「えっとぉ…3番さんが、1番さんに膝枕してください」
あまりどうでもいいことを言うとミラーシュが文句言うことを見越しての
ミリアにしては考えに考え抜いた命令。
「あ…わたくし3番です」
「はーい、1番」
フロンリーフが3番、ミラーシュが1番であった。
 
正座したミラーシュの膝をまくらに、本物のお姫様は頭をおく。
ミラーシュは「いいこいいこ」手櫛で髪をとかす。
「なんですの、この羞恥プレイ」ちょっと恥ずかしげ。
 
「はい、お姫様だーれだ?」
「ふふり、わたくしですわ」
何がそんなに嬉しいのか、当たりの棒をふりふりとご機嫌。フロンリーフ。
「お姫様の命令です、2番と4番がキスをなさい」背筋を逸らし、おほほと笑う。
乗りに乗っている。
「に、2番…」
「…四番」
2番がミリア、4番はキサナであった。
「…ほんとにするの?」キサナが確認する。
「うふふ、しないなら私が」ミラーシュがミリアに近づこうとする。
「し、しないとは言ってないじゃない」その顔を押しのけ、ミリアに近づく。
「…キサナちゃん」ミリアはどうすればいいのか判らず固まっている。
「ミリア、目を瞑って!」「…う、うん」キサナの勢いに押されぎゅっと目を瞑るミリア。
(ドキドキドキ)
じーー 二人を除く3人の視線が二人の唇に集まる。
「あー…もう、なんでこんなことに…」
幼馴染なので、とても気まずい(しかもいじめていた相手)。
キサナは目もくらむくらいドキドキしていたが、思い切ってミリアの唇に重ねる。
(ちゅ…む)
「んん…っ」ミリアも緊張で震えながらキスを受ける。
外野から「きゃー」という声。
「ふは…」唇を離し、やや距離を置く二人。気まずい。
 
「はい、お姫様だーれだ?」
「おっ、私だー」
ミラーシュがひいた。
「さて、そろそろお開きにします」
「そーね。頃合かな」
フロンリーフもキサナもミラーシュのお姫様は嫌な予感がひしひし。
「あれー、ひどい」よよよとうそ泣きをする。
「まって。嫌ならいいさ、お姫様ゲームはやめよ。
 他の…ほら、伝言ゲームしましょう。それならいいね?」
フロンとキサナは顔を見合わせて肯定の返事をする。
 
「前の人と同じ事をするだけなんだけどさ、一度試しにやってみるから」
ミラーシュ→ミリア→キサナ→フロン→リーンと並ぶ。
ミラーシュがミリアの背中に文字を書き、ミリアがキサナに、キサナがフロンに
そしてフロンがリーンに。
ミラーシュがいくつか文字を書き、最前列のリーンに伝わっていく。
「はい、いまの続けて言ってみて」ミラーシュが言う。
「…ちょっ?!何を言わせますの?」つなげた言葉がわかったフロンがミラーシュに
くってかかる。ミラーシュがフロンを「ドードー」なだめていると。
蚊も鳴くような小さな声でリーンが、
「……おちんちん」と。言って、俯き、顔を徐々に耳まで赤くする。
「ぅあ…」それに衝撃を受けたのがフロン様。純朴に思っていた
リーンからそのような下品な言葉が発せられたのに驚き、そしてどぎまぎと興奮する。
ミラーシュは「どう。お姫様、いいでしょー…」こっそりとフロンに耳打ちする。
小さく唾液を飲み込むフロン。ごくり。
 
「さぁ、次からは本番。絶対に声を出してはいけないから。それに後ろを見てもだめ」
念を押して。
(しめしめ、真のお楽しみのはこれから)
ミラーシュはミリアに触れる。
 
むにぃ…
 
そう、胸に。
 
むにむに。
 
ミリアはどうしていいかわからずされるがままになってしまうが、
ミラーシュが指で前を指すので、「これ」を伝言することに気がつく。
 
(せっかくキサナちゃんと仲直りできたのに、またいじめらちゃうかも…)
 
もみぃ…
 
ミリアがキサナの胸に触れる。
(ふぁっ?!ミリア…なにを…っ。…これか、これを周すのか…)
ようやく気がついたが、さっきのキス以降妙にミリアを意識してしまい必要以上にドキドキする。
こんなことをされても別にいやな気持ちにはならない。だが、
(うちの前、お姫様じゃないっ。不敬罪とかでつかまったりするんじゃないのー)
どうしようか困っていると。
もみゅぅ…もみゅぅ…っ
ミリアの手の動きが大胆になってくる。
「ん…ふぅっ」
ミリアの吐息がすぐ後ろで。
(もぉ、どうなっても知らないっ)
 
さゎぁ〜…
 
そーっとフロンの胸を撫でてみる。
 
(びくっ)
 
予想もしていない刺激をうけ、フロンの身体がはねる。
 
(ななななんと無礼なーーー……後ろでごそごそしてたのはこれだったのですのね)
「このっ…」思わずしかりつけようと思ったが、ふと思い直す。
(わたくしの次はリーンさん……どんな反応をするのかしら)
全く駄目な方へ思考が移っているのには気がついているが
もともと好奇心が旺盛なお姫様は、それを確かめたくて仕方がない。
ワクワクとドキドキに震える手が純朴な少女の胸に触れる。
 
ふ…ふに
 
特に反応はないようだ。
 
(お姫様。なにを…)
いまいち経験がなく知識も疎いリーンは先ほどからの一連の怪しい雰囲気を感じ取ってはいるが
どう行動していいのかはわかっていない。刺激には戸惑っているが、
自分に勝った、強くて優しいお姫様にはあこがれているため、信頼もしている。
胸が熱くなってくるが、それも心地よいような気がしている。
 
ミラーシュは最後まで伝わったことに大変満足をし、次から次へミリアへ悪戯をしている。
まず、邪魔な寝巻きをブラごと捲りあげ、直接触ることにした。
 
むにむにぃ…
 
「ん…ふぅぅ…」
ミリアはきちんと「声を出してはいけない」事を守り、
次のキサナへと回す。
 
「ふっ。ふくぅ…」
ずっといじめてきたミリアに仕返しされている気分になり
自業自得なのかと自問し、急かされるようにフロンへ回す。
 
「〜…っ」口をしっかり閉じていないと、声に出してしまいそうになる。
フロンは自身のプライドにかけて、声を出さないようにする。
気を紛らわすかのように、リーンへと回す。
 
「っ…ふっぅぅっ…」
リーンは自分の口から出たとは思えない悩ましい吐息に戸惑う。
 
ミラーシュが、ミリアの胸の先をコリコリし始め、それが次々に伝わる。
みんな甘い吐息を耳元に受け、声を出すことをなんとか食い止めている。
フロンが、リーンの胸の先をつまんだとき。
「んあーっあぁあっ」
ついに声が出てしまう。
 
それからは、みんな我慢できなくなり、
とうとう思い思いに甘い声を上げだす。
ミリア「…ふぁあっ、ふあっんっ」
キサナ「あっ…あっあっあんんっ」
フロン「きゃふっ…ひぃんっあぅんーっ…」
リーン「あっああ…あっ…」
 
喘ぎ声の大合唱は、深夜遅くまで及んだという。
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