おさんぽ。
パリーン!

「きゃあ、ご、ごめんなさいっ」
 
ミリアは不注意でミラーシュが大切にしている
ティーカップを割ってしまった。
 
「ぎゃー、それお気に入りのティカップなのに!」
 
「はうう、ごめんなさい。弁償します」
 
「い、いいよん……年代物で……どこにももう売ってないし……」
 
ミラーシュは人の失敗にそんなにうるさい訳ではなく
物より友達の方が大切だと知っている。
ショックはショックだが許してあげるつもりでいた。
が、
 
「あう、何でもしますから、許してください」
 
「なんでも……なんでもかぁ……」
 
ふつふつといたずら心が膨らむミラーシュ。
 
「今日一日、つきあってもらおうかしらん」
そう言うミラーシュの目には怪しい光が宿っていた。
 
 
 
「今日は風が強いね、ミリアちゃん」
二人は外に出てお散歩の最中である。
「は、はい」
顔を赤くし必死にスカートを抑えるミリア。
「あらら、そんな歩き方してたら不自然だよー」
「う……」
ミリアは現在、下着(上、下)を付けていない。
「ほらほら、しゃんとしてね」
ミラーシュの手がミリアのお尻をなで上げる。
「きゃっ、お尻さわらないでください……」
恨みがましそうにミラーシュを見上げるミリア。
”しゃん”と出来ないもうひとつの訳もある。
それは、ミリアの胸の先が服にこすれてしまうためなのだ。
 
そんなミリアの心内も知らず、
びゅうと、強い風が吹き、ふわふわとスカートが風になびく。
「きゃんっ……」捲られまいとミリアが手で押さえる。
相変わらずのミニスカートで太ももがチラリチラリ。
そのたびミリアは内心ひやひやしているのである。
 
「ミリアちゃん、ぱんつ返してあげよっか」
不意に優しい言葉をかけるミラーシュ。
何か企んでいるに違いないミラーシュの笑顔にも、
「う、はい」ミリアはそう答えるしか無い訳で。
「そのかわり…」
ほうら来た、ミリアは何を言われるか身構える。
「そのかわり……今ここで身につけること」
「ええっ!!?そんな……街中ですよ?!」
「…声が大きいわよん。いる?いらない?捨てちゃう?」
「……いります」意味のわからない迫力に押されて返事をする。
ごそごそとかばんの中をあさり、
「はーい、じゃあこれ」とミリアのさっきまではいていた
ぱんつを差し出す。
「っっわ、ミラーシュ様っ」
街中で堂々と手渡しする彼女に慌てるミリア。
がしっとすぐさま取り返して、手の中に隠す。
「ま、あたしが前で壁になっててあげるから」
と、またも優しいミラーシュ様。だが左右、後ろには壁はない。
きょろきょろと辺りを見渡すミリア。
小さい路地だが見渡す限りでもひとが何人か歩いている。
なかなかはかないミリアに
「……じゅーう、きゅーう、はーち……」
ミラーシュはカウントをつける。
「わわ。うぅぅー」困り果てるミリア。
もう一度キョロキョロ周りを見渡すが
特にこちらを見ているひとはいないようで。
覚悟を決め、出来る限りのスピードで
ショーツを両足から通していっきに腰まで上げる。
「くすくす」ミラーシュ様はご満悦。
でも、ミリアはすぐに違和感を感じる。
(なにか……股間に当たってる……)
もじもじとするミリアに気がついたミラーシュ。
「ミリアちゃんのぱんつに、とある仕掛けをしてるんだー」
とんでもないことを打ち明けるミラーシュ。
「一度、魔力を送ってみるからね」と。
 
ヴヴヴヴ……小さく鈍い音を立て、ミリアのショーツの中で
何かが動く。
 
「ふっくっっ……!」
カクンとミリアの腰が跳ねる。漏れそうになった声は
慌てて手で塞ぐ。
 
つまり、ミリアのクリトリスと秘所のところに
小さな石が当たるようにして、ミラーシュが魔力を送ると。
その意志が振動する仕掛けである。
 
「(ミラーシュさまミラーシュさま、これはまずいですよー……)」
小声ながらも、真剣な顔で抗議を行うミリア。
はなから聞く耳を持たないミラーシュ。
 
「あ、そこの本屋に入るよん」
手をひかれ連れていかれるミリア。
 
小さな本屋に人がいっぱい入っているため混雑している。
2人すれ違うのがやっとの通路。
その中でもミラーシュは魔力を送る。
ガクンッとミリアはまるでつまずいたかのように足が動く。
(やだ、人がいっぱいいるのに……)
ミラーシュはそんなミリアの様子を見て楽しんでいる。
 
「ミリアちゃん、この本買ってきて」
一冊、とても趣味になさそうなどうでもいい本をミリアに手渡す。
「え、えー」不満げなミリアに、
「ティーカップ」と魔法の言葉。
「ミラーシュさま、絶対にブルブル、しないでくださいよ……?」
念を押すミリア。ミラーシュは返事をくれない。
 
人の波をかき分け、歩いて店員の入るカウンターへ向かうミリア。
「あのぉ……これくださっふっ!??!っ」
今まで以上の振動がミリアを襲う。
「……ください」赤い顔をして涙ににじむ目で最期まで言い切る。
「はい、お待ちください」店員は何事もないような事務的に対応をしてくれた。
 
「身体、跳ねていたわよ」あとでミラーシュに耳打ちされる。
かぁぁと顔が熱くなる。
「ミラーシュさま、そろそろ許してください……」
懇願するミリア。
「そうね、その丘の上公園まで行ったらそこで終わりましょう」
公園まで行く階段でブルブルと振動される。
1段登るたびに違うところに当たって、ハァハァ息が荒くなる。
 
公園は小さな子が走りまわりお年寄りがベンチに座っている。
二人はそんな公園の真ん中にまで来た。
 
「最後だから最後までいってもらうよん」
「えっ、ミラーシュさまどういう?!!んんん!ぁっ!!」
ミラーシュはミリアから少し離れたところからミリアを観察している。
「んっ、ふっ、ミラーシュさまぁ……」泣き出しそうな表情で
刺激に耐えるミリア。
足がガクガクと震えている。
秘所を攻めていた石はミリアの穴から中へと入っていく。
「はふっ、はふはっ、んんはっ」
こんな所で辱めを受けているミリアは、しかし
「(こんな、みんなの見てる中でー……やぁぁ、でも感じちゃぅぅ)」
身体はドンドンと高ぶってゆく。
「はあはあ、ふう、ひう……っ」
いよいよ立ってられなくなり、膝をついてしまう。
 
「ん!!!!!んぁ!!!んんんん!!!!!」
びくっ、びくっ……びくんっ!!
大きく体が震えた。
 
 
気がついたらミラーシュが側にいた。
 
「あう、ミラーシュさま、これで許してもらえますか……?」
「許す……?」ミラーシュはしばらく考えた後、
「あっ、ティーカップ。あんなのいいよ、ミリアちゃんの方が何倍も大切だもんね!」
 
 


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