楽園と女神。

中央王国。
 
「ミリアに会わせたい人がいます」
 
王宮から宿へ帰るやいなや唐突に話を切り出したルル。
 
「合わせたい人?」
おやつをほくほく食べていたミリア。
真剣なルルの表情に次の一つを食べるかどうか
非常に悩んでしまう。手が行ったり来たり。
 
「おやつを食べたら出かけますよ」
「う、うん。ルル鋭い」
 
 
王宮内の神殿の中に入る。
出迎えてくれるおじさんに
「御機嫌よう。リトマスさん、転送の部屋空いていますか」
「1部屋だけなら開いていますよ。どちらへ?」
「楽園です。私の勇者様を連れていく話になりまして」
「そうですか。あの方は気難しいそうですが」
「気難しいといいますか……そうですね、ある意味難しいです」
苦笑いを浮かべるルル。
「行ってらっしゃい」
鍵を手渡してもらい奥へと進む。
 
階段を降りる道中
「ルル、気難しい人と会うの?わたし人見知りだよ」
「先方がミリアに是非会いたいそうです。そうですね、気難しいというよりは我侭……あ着きました」
一筋縄では行かない人らしい。
 
行き止まりに同じ扉が3つ並んでいる。
「ここから転送の場所です」
そのうちひとつの部屋鍵を開けて中へとはいる。
「部屋が一つしか空いてないので順番で行きます」
 
畳2畳程度の小さい部屋である。
もう一つ奥へと続く扉がある。
 
「ここで転送できます。私先に行きますね」
ミリアに一言掛けて、奥へ行こうとする。
 
「ま、まって、ルル。転送ってどうやってするの?」
 
「言わせますか?」少しはにかんで聞き返す。
 
「だ、だって、知らないんだもん」
 
「んー、ほら。前回イケナイダンジョンに行ったときのこと。覚えていますか?」
 
「え……、う、うん」
ミリアは鬼に追いかけられて、恥ずかしい目にあって。そんな思い出が甦る。
 
「その時に転送したことを覚えていますか?行きは魔方陣の力でしたが、帰りは乙女エネルギーを使って帰りましたよね」
少し恥じらいつつ、ルルがいう。
 
「乙女エネルギー? ……あ、あー」
帰りは最後の部屋で出会った悪魔に胸を弄られて入り口へ戻されたのだ。
思い出して耳を赤くするミリア。
 
「仕組みはあれと同じです。その時に魔法力が増幅します。その力を装置が組み上げて歩いてはいけない場所へ移動できるんです」
 
「つまり、ひとりでえっちなコトをして、遠い場所へ移動するということ?」
「わ、ミリア、言葉に気をつけてください。自身を慰めて乙女のエネルギーで外界へと旅立つだけです。けしてやましいコトをするわけではないのですっ」
ルルはドギマギしている。
「ご、ごめんー(でもどう違うのかわかんないよっ)」
 
「ミリア、少し後ろを向いていて」
ルルは衣服を脱ぎ始めた。
「え、うん。わかった」
ミリアの耳に衣擦れの音が聞こえる。
「(こんな狭い部屋で。なんか気まずいよ。)」
ドキドキしながら待つミリア。
全て脱ぎ終えたルルはミリアの後ろを通り過ぎ奥の部屋へ入った。
「光が満たされたら入ってきてください。転送の合図です」
ぱたんと扉を閉める。
 
「ふぅ…(遠い場所の人っていってたけど、だれがわたしと会いたいんだろう?)」
ルルがいなくなり、一人で思案に吹けるミリア。
扉にもたれかかりルルが終わるのを待つ。
「(遠い所と言っていたけどどこなのかなぁ……。ルルってば、自分は分かっているんだろうけど説明が不足しがちなんだもん……)」
あとで色々聞かなくちゃと、ミリアが考えているとき
何か小さな声が聞こえてきた。
 
「………………」
 
何の声だろうと思っていたが、どうやら扉の向こうから
聞こえるようだ。扉にもたれていたからこそ聞こえる程小さな声。
 
「(ルルかな?)」ミリアは耳を扉にくっつけてみた。
 
「……ぁ……ぁんん……」
 
ぞわ……一瞬にしてミリアの体内から汗が吹出した。
「(ルルの声だ。ルルなにしてるの……あ、ひとりで、えっちじゃない慰めてるんだっけ)」
 
聞いてはいけない気がして扉から少し身体を離す。
 
「(ルル、あんな声出しちゃうんだ……)」
 
普段のしっかりしたルルからは想像できないようなえっちな声。
 
ふと、扉を振り向くと、ドアのノブが目に入った。
なんとそこには鍵穴があるではないか。
 
「(いや、ダメダメ。何考えてるのわたし)」
 
はふーはふーと深呼吸をするミリア。
 
「(あ、でも。鍵穴なんかで向こう側が見通せるわけないか……鍵も小さかったし)」
 
そんなわけで試しに少し覗いてみるミリアである。
見えないのは分かっているのに、とてつもなく緊張してしまうミリア。
そろりと鍵穴に目を近づける。
 
!!
 
予想に反して鍵穴からはルルの痴態がはっきりと見通してしまったのだ。
 
一瞬目があったのではないかと思い慌てるが、よく見てみると
姿見の鏡に映っているルルであった。
実際ののルルからは背を向けて椅子に座っているし、
そもそもこんなに小さな鍵穴、少しでも離れてしまうと
向こう側から見えるはずがない。
 
片方の手で胸を揉み、もう片方の手は秘所をまさぐっている。
指はいれていないようだが、その動きかなり激しい。
足をピンと伸ばし、だらしなく口を開いている。
ミリアは扉触れていないため、声は聞こえなくなったが気持よさそうな
声を出しているに違いない。
 
ミリアの受けた衝撃はただごとではなく、
体を動かせず、鍵穴から目を離すことができなくなっている。
 
ミリアがルルの艶めかしい身体の動きを見ていると、
体の奥がジンジンと熱くなってくるのに気がつく。
 
「(行けないことだ、見ちゃいけない)」
頭ではそうシグナルを送っているのだが、何故か目を離すことが出来ずにいる。
 
吐息が少し荒くなってきた。
頭がおかしくなりそうな感覚に抗えず、
スカートの中に手をいれてしまう。
 
ルルの動きはますますと激しさを増してきた。
腰を浮かし、足を伸ばし。ヒクヒクと身体が痙攣し始めた。
 
ピカッ
 
「うぎゃ」
向こう側の部屋が光にあふれる。
鍵穴から漏れた光におののくミリアであった。
 
明るい光にが去って部屋の中を覗くと、
そこにはもうルルは居なくなっていた。
 
「(あ、転送できたんだ……)」
 
ミリアはドキドキ鼓動を脈打たせながら衣服を脱いで全裸になり
奥の部屋へと入った。
 
シーツにくるまれた椅子と、大きな姿見だけの部屋。
 
「(ここでルルが……)」思い出すと身体がジンジンとしてくる。
 
「(まだ暖かい……)」椅子に座ってみる。
お尻に冷たい感触が。
「(濡れてる……それに匂いも……)」
 
「(たしかルルはこうやって……)」
胸と秘所にそれぞれ手を這わせる。
 
「んっ……んっ……ルルぅ‥…」
切ない声を上げミリアも行為に没頭し始める。
 
鏡に写る自分の姿がとても嫌らしいものに見える。
「はぁっ……はぁっ……んっく……ルル……」
 
胸の先の突起を指でコリコリとつまみ上げ、
下は指先でなぞり水音を立たせながら、
ミリアはドンドンと快楽に溺れていく。
 
「あぁあっ……ルル……ルルぅー……」
 
先程のルルと同じような姿勢で腰を浮かし足が釣りそうになるだけ伸ばし
「あっ……真っ白に……ルルっ……あぁぁっ…あ!るるーーー!!」
 
部屋が光で満たされて。
ミリアは鏡の中へと吸い込まれる。
 
 
「ミリア、呼びました?」
目の前でぱちくりと目を大きくするルル。
「ふぇ……!? ル、ルル!??」
 
ルルの顔がアップで現れ耳まで真っ赤にしてしまうミリア。
「ん?人の顔を見てどうかしたのですか」小首をかしげるルル。
 
「あの、ここ、ここは?」
慌てて話題を変えるミリア。
 
「楽園と呼ばれる場所です」と愛らしい笑顔を振りまくルル。


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