追い剥ぎ盗賊団。
豪華な馬車が人気のない山道を走っている。
 
山道の見晴らしのいい高台。
「姉御!きましたぜーー!」
「よし、罠をはるんだ。絶対に逃がすんじゃないよ!」
『おうけえ!』
 
ヒヒィー、ブルブルブル(馬の鳴き声)
馬車の馬が罠にかかり身動きが取れなくなる。
 
「おおっと、ここからはとおさん!」
ワラワラと現れる盗賊達。「姉御、上手くやりましたぜ!」
姉御と呼ばれた小さいが威勢のいい女性が馬車の前に進み出る。
「ここを通りたくば交通量として、身ぐるみ全ておいて行ってもらうよ!」
 
馬車の中より、年老いた男性と、お洒落に着飾った若い女性が引き摺り下ろされる。
御者も含め、この馬車には3人乗っていた。
 
「荷物は全て差し上げます。お助けを」
お爺さんは必死に命乞いをする。
「荷物?そんなモノは当然。パンツ一枚に到るまで全て差し出せば無事ここを通っていい!」
お爺さんはそう聞いてすぐさま衣服を脱ぎさりすべてを捧げる。
馬車の御者もそれに従う。
だが、女性はどうしても脱ぐことが出来ず、困った表情で固まっている。
 
「姉御っ。このお嬢さんは身ぐるみ寄越さないつもりですぜ」
盗賊の下っ端が姉御に報告する。
「ふむ。脱がないなら反抗の意思ありと見なしていい。お前達の好きにするがいい」
『ヒャッホウ!』
ぞろぞろと女性に近づく下っ端達。
「ま、待ってください……、脱ぎます。脱ぎますから……」
緊張し震えた手でブラウスを脱ぎ捨てる。次いでスカートの留め具も外しゆっくりと脱いでいく。
だが、どうしても下着を脱ぐことが出来ない。脱いだ衣服はすぐさま盗賊に持って行かれる。
「あの……、ここまで脱いだので許してもらえませんでしょうか……」
「へへへへ。姉御、こんな事言っているけど、どうしますか?」
「全部脱がないなら反抗の意思ありだ」非常に宣告する。
「だってよ、お嬢さん、覚悟しな」
身の危険を察した女性は、
「ううううう。こ、これでいいですか……」目に涙を浮かべながらも下着を外す。
露出した胸に下っ端共の視線が集中する。
「み、見ないで……ください……」
視線からなるべくそれるように体を動かし、次いでショーツもゆっくりと下ろして足から外す。
下っ端たちだけでなく、一緒に馬車に載っていたお爺さんや御者もこっそりと見てる。
「あ、姉御。全部脱ぎましたぜ。でも我慢ができませんぜ。ゴクリ」
下っ端が目をぎらつかせて女性に襲い掛かろうとする。
「全てを差し出したものに、それ以上何かすることは許さん」
姉御は強く部下をたしなめる。
こうして裸になった一行はバスの旅に戻り、好奇の目に晒されながらも次の街までたどり着いた。
 
 
瞬く間にこの恥ずかしい盗賊団の噂が広がった。
中央王国では治安維持のため、ミリアとルルをその地に派遣した。
 
 
「勇者様、ルル様、もうすぐ例の盗賊団の出没地域です。気をつけてください」
馬車の御者が馬車の中のミリアとルルに告げる。
ミリアとルルに緊張が走る。
 
それからすぐに馬車が大きく揺れた。
落とし穴だ。馬車の車が穴に落ち身動きがとれなくなる。
 
 
『ヒャッホウ!』
わらわらと馬車を取り囲むように盗賊が集まる。
「あたいらは泣く子も脱がす盗賊団!身ぐるみ全部寄越せば、なにもしない。
 だけど、飴玉ひとつでも隠し持っていたら容赦はしない!」
紅一点、女盗賊がミリアたちに対し宣言をする。
 
いそいそと、馬車から這い出るミリアとルル。
「あなた方に差し上げるものは何もありません!」ルルはそう言い返し、ミリアと目配せをする。
「ミリア、馬車を足止めしたのは土の魔法のようです。魔法使いがいます。ここは変身して闘ってください」
ルルの指示に、
「え、ぇえー。あの格好はずかしいよー」嫌な顔をするミリア。
「ミリア、敵が来ます。急いでっ」
「えーん、もう、お着替えー……!」
急かされたミリアは、両手を上に上げ、半場なげやりに変身のコードを唱えます。
 
ぴかっ!!
 
ミリアが眩く光り輝く。
周囲の注目がミリアに集まり、一瞬の光の後現れたのは一糸もまとわぬミリアの姿。
『おおお』と周りが歓喜の声を上げる。
「いやあんっ、やっぱりこうなっちゃう〜っ」
顔を真っ赤に染める。
いつもだと裸になった後すぐに魔法の鎧が現れるのだが、
今回はいくら待っても鎧姿に変身できない。
代わりに小さな紙切れが一枚空から降ってくる。
「ええと……?」
その紙には『鎧、クリーニング中につき、転送できません』とあった。
「えええ!」
慌てて腕で身体を隠すミリア。
 
ざわざわする盗賊。
「よく分からないが、その子は全部脱いだので降伏の意志ありとみなす!
 他の二人を脱がすように!!」
 
姉御の命により残りの二人、ルルと馬車の御者が狙われる。
盗賊達の近くにいた御者は逃げるまもなく捕まえられてしまう。
「わ、わたしはただ二人を送るようにと。いや、やめてくださいっ」
すぐに囲まれ複数の男達の手が伸びる。
「いやっ、いやっ……助けて……!」
多くの手に捕まれ引っ張られ、あっという間に下着姿にまで剥かれる。
 
一方、ルルも馬車の背後に忍んでいた盗賊に羽交い締めにされる。
「きゃ!」
盗賊はガバリとでルルの胸元を大きく開く。
わらわらと数名の盗賊がルルにたどり着き、
下卑た笑いを浮かべながらルルのスカートを大きく捲りあげている。
「いやっ……た、助けて……!」
 
襲われている二人の視線の先にいるのはミリア。
助けを求められたのはミリアはしかし全裸だ。
(裸のわたしに何をしろというの……)
ミリアは困るが、ドンドン脱がされていく二人を見ていると
自分が助けないわけにはいかないという思いに駆られる。
 
「剣君召喚!」
ドーン。
「よかった……こっちは来た」
両手で剣を持つと、すっかり身体を腕で隠せない。
腰を曲げて少しでも隠れるようにしているのだが。
手に持った魔剣が興奮している。
「おほー、ミリア、その格好はいったいどうしたのか」
「やーん、剣君、みちゃだめー」
ミリアは恥ずかしくてドンドン力が抜けていくが、
ミリアが掴んでいる魔剣の柄は逆にむくむくと、大きく固くなっていく。
その剣から強大な力を感じる。
「は。そ、そうだ。二人を助けないと。剣君力を貸して」
恥ずかしがってばかりもいられずに、ミリアは二人を助けに立ち上がる。
 
 
ブラがずり上げられ今にも先端が露出させられそうになっているルル。
「ぅぅぅ……」真っ赤な顔でその仕打ちに耐えている。
そこにミリアが助けに入り、盗賊たちを斬りつけていく。
素っ裸での登場に盗賊等も驚き、
剣を振るたびにぷるんと揺れるミリアの胸に目を奪われる。
恥ずかしくて肌を上気させつつも隙だらけの盗賊をぎったばった斬り伏せていく。
「ミリア!」助けられたルルがミリアにぎゅっと抱きつく。
丁度ブラが外れルルの胸の先とミリアの胸の先がこすれる。
ドギマギするミリア。
「あ、もう一人助けに行かないと……」
急に思い出し、ここまで連れてきてくれた御者の方へ向かう。
御者は既にブラも剥ぎ取られ今まさに最後の一枚を下ろさているところで、
既におしりは半分以上むき出しであった。
 
……
 
御者も助けたミリアは、姉御と呼ばれていた盗賊団の女性より彼女の服を拝借して、
ようやく全裸から解放された。
結果的に脱がされた姉御は彼女の率いていた部下に襲われてしまい、盗賊団は壊滅したらしい。

 
 
 


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