姫も楽ではありません。
<<ガシャーン!!>>
王宮一室に響き渡る破壊音。
音源を見ると床に散乱したガラスの破片と、それを見て顔を青くし立ち尽くすメイドの姿が。
「花瓶が……ご、ごめんなさ…ごめんなさい…」
まだ幼さの残るメイド少女は犯してしまった失態に打ちひしがれ謝罪の言葉しか出てこなかった。


「エ〜ル〜〜ジェ」
姫様に呼び出されたエルージェはびくびくと震えていた。
「申しわけありません、申しわけありませんっ」
ぺこぺこと何度も頭を下げるエルージェ。
「はー…」深くため息をつく姫様-フロンリーフ-。
「これで何度目ですか。こればかりは自分で直してもらわないと、ここに置いておけませんよ」
姫が雇い入れているメイドたちは戦乱で行き場をなくした少女たち、
姫の好みの者や一芸に秀でた者などを姫が拾って雇い入れているもの。
メイドとしての適性があるかどうかは保証されていない。
エルージェも近頃、姫が容貌を気に入り招き入れたところだった。
「申しわけありません…な、なんでもします。姫のお傍においてください」
「どうすれば、ミスをなくせるか、自分で考えて実践なさい。次はありませんよ」
姫もなんとかエルージェがメイドのお仕事を続けられるよう手を尽くし、周りの不満をなだめ続けているのだがいつまでも可愛いという理由だけで傍におけるものではない。
「で、では姫様ぁ……っ」
ふさぎ込んでいたエルージェだが、顔をあげて進言をした。
「わたしエルージェは、この度の失態を懲罰をもって反省の意を示したいと思います…っ」
「……と、言いますと?」
真面目な顔をしていた姫の口角が少し上がる。
何か、面白いことを言い出した、と。姫はこの子の発想の豊かさを大いに気に入っているのだ。
「……今日から……一週間……し、下着を……つけずにお仕事をしようとおもいます……っ」
顔を真っ赤にし、目を逸らせながら、言った。
「ふぁ?!ど、どうしてそうなるのですか?!」
想定の斜め上な提案を返されて、姫は動揺が表に出た。
「あの……失敗するのは、ふわっとお仕事してしまうからだと思うんです…だから周りの視線も意識して……」
この発育途上の少女からそんな提案が出されるとは思いもよらず。
「だれかの入れ知恵ではないですか…?」
「ちがいます。姫様は自分で考えよとおっしゃられました。わたしが考えてのことです」
今度はしっかりと顔を姫に向けて。
姫は、王族として、一度口にした言葉をたがえては信用を失うと理解していた。
「わ、わかりました。やってみなさい」
「はい!こんどこそ姫様の期待を裏切らないように…、がんばります!」
エルージェは勢いよく宣言をすると、その場でスカートの中に手を突っ込み
震えた手でするすると下着をずり下げ始めた。
『きゃぁ……!』言葉が口から出そうになり、慌てて口を押える姫。
絵ルージュは脱ぎ終えた下着を姫様に手渡しし、
「ずるしないように、姫様が…持っていてください……」
恥ずかしさで潤んだ瞳で姫様を見つめる。
どぎまぎしてしまう姫。

さて、
季節は温かくなりはじめ、衣替えを終えていたメイド服もスカートも膝丈と短くなっている。
季節代わり目は突風も吹く日も多く、いろんな場面でスカートの中が見えてしまう危険をはらむ。
メイドエルージェの仕事は姫の部屋やその周り居住スペースの掃除、ベッドシーツや枕カバーなど生活備品の交換
不足品の確認や発注など、細々な雑務など多岐に渡り、緊急品の買い出しなど外出することも少なくない。
その週も、エルージェは大変慌ただしく働き、姫はそんなエルージェの様子を傍目で観察していた。
また、姫のみがエルージェが下着をはいていないことを知っていた。
一週間の最初の方は、エルージェはスカートがめくれないよう、覗かれ中が見えないよう、細心の注意た行動で
スカートを抑えたり、ぎこちなく不自然な動きが目に余っていたのだが…
週の半ばからそんな様子も変わってきた。
掃除のため、背伸びをして窓の上を拭こうとしてお尻が見えそうになったり
ベッドメイクで、前かがみになりお尻が見えそうになったり、
あるいは、落としたものを拾おうとしゃがんで膝を立てた間からおまんこが見えそうになったりと
姫はエルージェの様子が気が気でなく、はらはらと目が離せなくなてしまう。
そして、約束の一週間も刻一刻と進んで行き、エルージェは一つのミスもなく生まれ変わったかのように仕事をやり通したので、姫もほっと肩をなでおろした。
エルージェは得意げにミスを減らした方法をメイド仲間に伝えたため、王宮ではノーパン仕事術がプチ流行しているとか。

逆に姫は、この一週間、エルージェのことが気になりすぎて仕事のミスを繰り返してしまった。
エルージェの下着を返したとき、彼女にミスを指摘され、今度は姫が下着を脱いで仕事をする約束をしてしまった。
「……今日は朝から大臣たちとの会議があって……」
「お昼はからは、馬に乗って町のパトロール……」
「夕方からは家族で食事会……」
「夜間はミリアさんたち勇者の方々と面会し打合せ……」
下着がなくすーすー風通しを感じる中、恥ずかしさを表情には出さず仕事をこなしていった。
悪いことに、エルージェがメイド達は姫がノーパンなのを知っているため、何かあるたびにスカートに視線を向けてくるのは恥ずかしかったし、ばれそうだからやめてほしかった。

「(まったく、姫も楽ではありませんわ……っ!)」
フロンリーフは心の中で叫ばざるを得ませんでした。

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